常に外気にさらされているのに、お肌はとってもデリケートです。
体調や天候のちょっとした変化にも影響を受けやすく、日ごろのケアに苦心している人も少なくありません。
実は、そんなお肌を守っているのが油(脂質)だった!?
今回は油脂とお肌についてのお話です。
【油脂が肌を守る!?】
油脂と聞くと、「ニキビの原因」、「肌がベタつく」、「太って肌荒れしそう」など、マイナスイメージを抱く方もいるようです。
確かに、油脂は糖質やたんぱく質よりもエネルギーが高く、過剰にとれば肥満の原因になります(例えば、お菓子や揚げ物は、脂質過剰を招きやすいので意識して控えた方がよい食べ物です)。
しかし、適切な量の油脂は、肌のバリア機能を維持し、潤いを保つ働きがあるのです。
もう少し詳しく説明すると、肌は外からの異物の侵入や攻撃を防いだり、水分のバランスを保つために、皮脂を分泌しています。
私たちが食事からとる油脂は、この皮脂をつくるための材料になります。
このことから、単に痩せたいからと、食事から油脂を過剰に(必要量に満たない程度まで)減らしてしまうと、肌の状態に影響するのがわかります。
また、油脂(脂質)を制限した分のエネルギーを補うために炭水化物(糖質)やたんぱく質の摂取量を増やすと、内臓に負担がかかります。
内臓の状態が悪化すると、肌の血色がどんどん悪くなって美肌から遠ざかってしまいます。
美肌を目指すなら、食事内容をチェックして、適度な油脂をとるのをお忘れなく☆
【体に必要な油脂を考えよう】
油脂が体に必要なのは間違いありませんが、お店にはいろいろな食用油が並んでいて、いったいどれを食べたらよいのか、悩んでいませんか?
そこで注目するキーワードが、「不飽和脂肪酸」。
主に植物油や魚の脂に含まれる脂肪酸です。
不飽和脂肪酸は複数ありますが、多くが血中のコレステロール値を安定させます。
血液の状態がよくなると体中に栄養や酸素がきちんと行きわたるので、肌の調子を整えるには見逃せません。
植物性油脂に含まれる不飽和脂肪酸は、グレープシードオイルやコーン油・大豆油などに豊富なリノール酸、オリーブオイルやべに花油・なたね油に多いオレイン酸などがあります。(※例として多く含む油をご紹介していますが、その油からしか不飽和脂肪酸がとれないわけではありません)
そして、魚も不飽和脂肪酸(DHA・IPA(EPA)など)を含みます。
主菜を決めるときは、肉より魚を優先させるのも「アリ」ですよ☆
特にDHAやIPA(EPA)は、アジやイワシなどの青魚に多いので、献立を考えるときの参考にしてみてください。
なお、不飽和脂肪酸は酸化しやすいという大きな弱点があります。
健康によい効果を最大限に得るなら、開封した油は早めに使い切るのが一番です。
いろいろな油を購入して、使いかけをたくさん残さないように、魚であれば、新鮮なうちに食べるように心がけましょう!
お肌の大敵!のように扱われることもある脂質ですが、実は体にとって非常に大切な存在です。
お肌を健康に、美しく保つためにも、油と上手に付き合っていきましょう☆
Text byはむこ/食育インストラクター