ヨモギの一番の魅力である若草の爽やかな香りは、春の訪れを感じさせてくれるもののひとつです。
この時期になると、草もちや草だんごが食べたくなってくるのは私だけではないはず!?
今回は、これからの季節に出回る、ヨモギの嬉しい効果をご紹介します。
【ヨモギとは?】
ヨモギは日本全国の山野に自生するキク科の多年草です。
春先に出る若菜を摘んで草もちや草だんごに入れることから、別名「モチグサ」と呼ばれています。
和菓子に使われるだけでなく、天ぷらや和え物にしたりと、さまざまな料理でヨモギ特有の味と香りを楽しむことが出来ます。
ヨモギは葉の裏に白い毛茸(もうじょう)と呼ばれる産毛のようなものが生えているのが特徴で、この部分を精製してお灸にも利用されています。
【女性に嬉しい!よもぎの効能】
ヨモギは、ビタミン類をはじめ、カリウム、カルシウム、鉄、食物繊維などの成分がバランスよく含まれ、古くから薬用として重宝されていました。
ヨモギを食べると、貧血予防、美肌効果、便秘解消、むくみ改善など女性に嬉しい効果がたくさん得られます。
さらに、香り成分のシオネールには、脳神経を鎮める働きがあり、気持ちを落ち着つかせ、安眠をもたらしてくれます。
また、食べるだけではありません。
先ほどご紹介したお灸をはじめ、よもぎ風呂にすれば血行が促進され、肩こりや冷えの改善に、ヨモギエキスの入った化粧水を使えば、保湿効果が期待できます。
【ヨモギの香りで邪気払い!上巳の節句に草もちを食べる理由】
日本では3月3日上巳の節句によく草もちが食べられますが、なぜだか知っていますか?
これは平安時代ころに中国から伝わった習慣がルーツだと言われています。
古代中国では、上巳の節句に「母と子が健やかに」という願いを込めて母子草(ハハコグサ)を使ったもちが食べられていました。
これが日本へ伝わり、邪気を払う力があるとされるヨモギを使った草もちが食べられるようになりました。
【草もちを作る前に。ヨモギのゆで方】
ヨモギの新芽を購入したら葉を摘んで水洗いし、塩を入れたたっぷりの湯で1~2分ゆでます。
そのあと水にさらし、粗熱が取れたら水気を絞って下さい。(新芽の場合はそれほどアクが強くないので、サッとさらす程度で大丈夫です。)
【レンジで作る、草もち】
<材料(10個分)> 調理時間:40分
上新粉・・120g
もち粉・・30g
上白糖・・30g
ぬるま湯・・200ml
ゆでたヨモギ・・30g
粒あん・・200g
<作り方>
- 耐熱ボウルに上新粉・もち粉・上白糖を入れて軽く混ぜ、ぬるま湯(約40℃)の半量を加えてさらによく混ぜる。
- 全体が混ざったら残りのぬるま湯を加える。
(生地のかたさは持ち上げたときにリボン状に落ちるくらいが目安です) - (2)にふんわりとラップをかけ、600wの電子レンジで1~2分加熱する。少しかたまってきたら取り出してゴムベラで混ぜ、さらに1~2分加熱する。
- (3)を繰り返し、計6~7分加熱したら取り出し、すりこ木などでなめらかになるまでつく。
- ヨモギを加えてさらにつき、全体にヨモギが混ざったら10等分にする。粒あんも10等分にする。
- 生地を手のひらで平らに伸ばし、粒あんを包んで口をしっかり閉じる。
生のヨモギが手に入らない場合には、乾燥ヨモギ(今回のレシピだと5g程度)を使って作ることも出来ます。
その場合は、ぬるま湯で戻してからしっかりと水気を絞って加えてください。
暖かな春を感じられるのは、もうすぐです。
春の食材「ヨモギ」を食べて、体も心も健康に過ごしましょう。
Text byまち/食育インストラクター