「免疫力」を高める食事って、いったいどんな食事?①

免疫力は、加齢や過剰なストレス、不規則な生活習慣などによって低下します。
では、どうしたら免疫力を高めることができるのでしょうか?
そこで、今回から2回に渡り、免疫力を高めるポイントを食の観点から見ていきたいと思います。

【まず始めに…「免疫」ってなに?】

「免疫」とは”疫から免れる”、つまり”伝染病などから逃れる”ということを意味する言葉です。
例えば、一度「はしか」などの伝染病にかかった大半の人は、その伝染病にかからなくなります。
これを「免疫ができた」と言います。
この免疫システムは、体内に侵入した細菌やウイルスなどを異物(自分以外のもの)として攻撃することで、自分の身体を正常に保つという大切な働きをします。

免疫は伝染病だけでなく、以下のようなケースにも大きく関わっています。

●臓器移植の拒絶反応
自分の体ではない臓器が移植されると、それを排除しようとして攻撃します。
そのため、臓器移植後の患者には免疫システムが働かないよう、免疫抑制剤が使われます。

●花粉症や食物アレルギー
体にとって害のないはずの花粉や食べ物を異物と判断して、それらを攻撃してしまう免疫システムの誤作動です。

●自己免疫疾患と呼ばれる病気(全身性エリテマトーデス、関節リウマチなど)
本来、自分の体の一部である組織を異物と誤認識して免疫システムが活発になり、自分の体を攻撃してしまう病気です。

●がん
自分の体の中で一部の細胞が勝手に増殖を始めてしまう病気ですが、免疫システムは、がん細胞が異常な増殖を開始する前にその細胞=がんを見つけて破壊してくれます。

このように免疫は体にとって重要で不可欠なシステムである一方、誤作動を起こすと病気にもなり、いまだそのシステムが研究され続けています。


【免疫力が低下すると、どうなるの?】

免疫力が低下すると、感染症にかかりやすくなるだけでなく、がんなどの病気を発症するリスクも増えてしまいます
そのほか、免疫力の低下によって血行が悪くなると、新陳代謝が低下して肌や髪の状態が悪くなるなど、美容の面にも悪影響が現れることがあります。

【「免疫力」と腸の関係】

私たちは口から食物をとり入れ、とり入れた食物が胃や腸を通り、肛門から便となって排出されます。
口からは食物以外に、さまざまな細菌やウイルスが侵入してきます。
腸はこれらの外敵にさらされる機会が多いため、免疫機能が備わっています。
免疫に関わる細胞の6割以上は腸に存在しており、腸は体内で最大の免疫器官と言われています。つまり、腸の健康を保つこと(=腸内細菌のバランスが整った状態)が、免疫力を高める鍵と言えます。
腸の健康のためには、善玉菌を多く含んでいるヨーグルトや漬物、味噌などの発酵食品がおすすめです。
ちなみに、食物繊維やオリゴ糖を含む食品を組み合わせると、より効果的ですよ☆

そのほか、「たんぱく質」、「n-3系脂肪酸」、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEといった「抗酸化ビタミン」などの栄養素も、免疫力を高める上でとても重要です。
また、免疫力を高めるためには、食事に気をつけるだけでなく、適度な運動も欠かせません
運動不足により筋肉量が減ると、体温や基礎代謝量が下がります。
「体温が1℃下がると、免疫力は30%落ちる」と考えられているので、毎日の生活の中で無理のない範囲で体を動かしましょう
なかでも、ウォーキングは、人間の筋肉の70%を占める下半身を動かすので、効率良く筋肉を鍛えることができ、おすすめです♪

いかがでしたか?
次回は、今回ご紹介したポイントを踏まえ、免疫力アップが期待できるレシピをご紹介していきますのでお楽しみに☆

Text byろい/食育インストラクター

関連キーワード: