「ゆず」といえば、スイーツに入っている風味を楽しむとか、冬至にお風呂に入れるくらいという方がほとんどでしょうか。
中には柚子胡椒で鍋の時に少しつけて食べるよ、という方もいらっしゃるかもしれません。
でもやっぱり、テレビに一瞬出る「ちょい役」のような役回りのゆず。
今回は旬を向かえたゆずを堪能するために、ゆずを探求していきたいと思います。
【ゆずの食材分析】
柑橘類の中では最も寒さに強いとされていて、日本各地で栽培されています。
7月頃に青い実(青ゆず)が、11月頃に黄色(黄ゆず)になります。
日本料理ではそれぞれの季節のゆずを使います。
これだけ日本料理に親しみのある食材ですが、実は中国原産で、日本には奈良時代か飛鳥時代に渡来したといわれています。
甘みがなく、酸味が特徴です。
皮の栄養価が高く、抗酸化作用のあるビタミンCを多く含みます。
また、ビタミンA(クリプトキサンチン)も豊富で、のどの粘膜を守る働きがあるため、風邪予防の効果が期待できます。
【ゆずを食べよう!】
と言っても、丸ごとかぶりつくと苦くて酸っぱくて、そのままでは食べられません。
まるごと使い切るには、マーマレードがおすすめです。
手作りだと香りが鮮烈なので、一度作ったらやみつきになります。
ジャムとして食べるのはもちろん、韓国風の柚子茶のようにお湯で溶いて飲むなど楽しめます。
皮と実を分けて使う時ですが、まずは皮の使い方から。
皮をむいて使う時は、白い綿の部分は入らないよう、色付いた部分だけむくのがポイントです。
千切りにして煮物やお吸い物の上にのせれば、普段の料理が一段と香り豊かに仕上がります。
そして果汁は、炭酸に加えてヘルシードリンクにしていただくのもお手軽でいいのですが、これから寒くなる時期なので、自家製ぽん酢で鍋を楽しむのはいかがでしょう。
ゆず果汁、しょうゆ、出汁を混ぜ合わせれば酸味がありつつも、やわらかな香りなので白身魚や豆腐がいつもと違う味わいになります。
ゆずの皮も果汁も、使い切れないときは冷凍しておくと香りが長持ちします。
【香りまで味わって】
ゆずの香りはいろいろな成分から成り立っていますが、その中のひとつリモネンは交感神経を活性化させ血管を広げるといわれていて、リラックス効果が期待できます。
また、リモネンはお湯に溶けると乾燥した肌をしっとりさせるともいわれています。
(敏感肌の方は様子をみてご使用ください。)
料理に使用した後の皮でゆず湯を楽しんでもよいでしょう。
そのときは、目の細かいネットに入れて湯船に入れる方が、後片付けが楽になり排水溝が目詰まりすることもないのでおすすめです。
今シーズンは季節の香りを余すところなく楽しんではいかがでしょうか。
Text by ゆず/食育インストラクター