ホクホクとした食感と優しい甘さ、ほろ苦さが特徴の「ゆりね」。
定番のご飯や茶わん蒸しはもちろん、きんとんや揚げ物、そして和菓子など様々な料理に使われています。
【ゆりねってどんなもの?】
その名の通り、ゆりねは「ゆりの花の鱗茎(球根)」です。
しかし、観賞用として売られている品種の鱗茎はアクが多く、とても苦いため食用に適していません。
そのため、現在食用として販売されているのは苦みの少ない「小鬼ゆり」がほとんどです。
ゆりねの主な生産地は「北海道」で、全体の9割以上を占めています。
その他、茨城県や京都でもごく少量ですが生産されています。
北海道では10月頃に収穫されますが、ゆりねはかぼちゃやさつま芋などと一緒で、収穫してから2~3か月寝かせたほうがでんぷんが糖に変わり甘味が増すため、10月~2月位が美味しい季節とされています。
【ゆりねを食用とするのはほんのわずかの国だけ!?】
ゆりは世界中に分布していますが、ゆりの球根(ゆりね)を食用とするのは中国や韓国、日本などほんのわずかな国だけと言われています。
いつ頃から日本で薬用・食用とされていたのは定かではありませんが、昔から滋養強壮、利尿作用、咳止めのほか精神を安定させイライラを解消するなどの鎮静作用の薬用として珍重されていたようです。
【ゆりねに含まれる嬉しい効果とは?】
ゆりねの栄養素で注目したいのが「カリウム」です。
野菜の中でもトップクラスと言われるほど豊富に含まれ、体内の塩分が多すぎたときにナトリウムを排出し、体内の水分バランスを整えてくれます。
そのため、利尿作用が高まり、高血圧予防やむくみ解消に役立ちます。
また、こんにゃくと同じ水溶性食物繊維の「グルコマンナン」も含まれています。
グルコマンナンは便秘改善のほかに、水に触れると大きく膨張し、満腹感が得られやすくなることから、肥満防止にも効果的です。
この他に、ビタミンB6や葉酸などのビタミン類や亜鉛などのミネラルも含まれています。
最近では、季節になるとスーパーでも売られるようになってきた「ゆりね」。
どんな料理にも合いますので、ぜひ見かけたらその味を楽しんでみてはいかがですか?
Text by まち/食育インストラクター