「梅」はバラ科の植物で、スモモやアンズ、プルーンなどの仲間です。
旬は5月~6月と短く、熟しても甘くならず強い酸味が特徴です。
【梅の酸っぱさに秘められたパワーとは?】
梅干しや梅肉エキスなど、梅の加工品には「体に良い」というイメージがありますよね。
今回は、梅の酸味成分であるクエン酸がもたらす嬉しい効果を一部ご紹介します!
●疲労回復
糖質の代謝を促し、活性化させる働きがあります。
エネルギー代謝がうまくいかないと、栄養素の不完全燃焼から乳酸という疲労物質が発生し、疲れ・肩こりや細胞の老化・動脈硬化、生活習慣病などを引き起こす恐れがあります。
クエン酸は乳酸が体内で分解されるのを早め、老廃物の蓄積を防ぐのに一役買ってくれるのです!
●骨の強化
クエン酸などの有機酸には、カルシウムの吸収を助ける働きがあります。
カルシウムの吸収率は年齢と共に低下しますが、有機酸にはカルシウムや鉄の吸収を促し、カルシウムが骨から流出するのを防ぐ働きがあるとされています。
カルシウムは小さいお子様や高齢の方はもちろん、老若男女を問わず積極的に摂って頂きたい栄養素の1つです。
●食欲増進
唾液の分泌を促して食欲を増進させるだけでなく、胃液やその他の消化酵素の分泌を高めて消化吸収を助けてくれます。
また、梅に微量に含まれているピクリン酸は腸の働きを活発にし、便通の改善も期待出来ます。
●殺菌効果
殺菌・除菌効果にとても優れています。
通常の食事と違い、お弁当は作ってから食べるまでの保存期間があるため、蒸し暑くなるこの季節は食中毒に注意が必要です!
よく、「おにぎりやお弁当の中に梅干しを入れると良い」というのを耳にしますが、これは梅干しに含まれているクエン酸には微生物の増殖を抑える効果があるためです。
さらに体内に入ると胆汁の働きを活発にし、食中毒の原因となる菌に対する効果も期待出来ます。
生活の中ではキッチン、浴室、トイレ用品などにも利用されています
【美味しい!簡単!梅レシピ♪】
梅はスイ―ツや飲み物にも使われる事がある果物ですが、肉や魚の臭み消しとして煮物、焼き物の他、ご飯料理、たれ・ドレッシングに加えても美味しく食べられます。
今回はジメジメするこれからの時季にぴったり!
火を使わない、お子様と一緒に作れるサラダをご紹介します。
☆ささみと蒸しなすのさっぱり梅サラダ
<材料>(2人分)
なす・・2本
A塩・・少々
玉ねぎ・・1/4個
A酒・・大さじ1
ささみ・・1~2本
●梅ドレッシング
梅干し・・1~2個(梅肉大さじ1)
水・・大さじ1
サラダ油・・大さじ1
砂糖・・大さじ1/2
<作り方>
- ささみは耐熱皿に並べ、Aをふってラップをふんわりかけ、500Wの電子レンジで2分程加熱する。
そのまま粗熱が取れるまで置き、食べやすく裂く。 - なすはヘタを切り落とし耐熱皿に並べ、ラップをふんわりかけて500Wの 電子レンジで3分程加熱する。
ささみ同様、粗熱が取って食べやすく裂く。
玉ねぎは縦薄切りにして冷水に5分程さらし、水気を切る。 - 梅干しを細かく叩いてボウルに入れ、水でのばす。
サラダ油・砂糖を加えて、とろりと混ぜる。 - ボウルに(1)・(2)を混ぜ合わせ、器に盛り、上から(3)をかける。
それぞれの食材の色が映えて、とても綺麗ですよ!
パサパサしがちなささみも、ほんのひと手間でふっくら仕上がります。
また、ストレスを緩和するたんぱく質を含むささみと梅を一緒に摂ることで、より強い疲労回復効果が期待できます。
これからの暑さに負けない、疲れ知らずの体作りのために、ぜひ梅をとりいれてみてはいかがでしょうか?
Text by ろい/食育インストラクター