暑い時期にピッタリ! つるんと美味しい「ところてん」

暑い時期にピッタリ! つるんと美味しい「ところてん」

食欲が落ちやすいこれからの暑い時期、冷たくてツルッとした
「ところてん」が食べたくなることはありませんか?

【意外と古い!?「ところてん」の歴史

ところてんは天草(てんぐさ)などの海藻を煮溶かして出来た寒天液を濾して冷やし固めたものです。
その歴史は古く、中国から仏教が伝わった538年頃に「こんにゃく」と共に作り方が伝えられたと言われています。
その後701年に制定された「大宝律令(たいほうりつりょう)」の中に、貢納品として「心太(こころぶと)」という名で登場しています。
710年、平城京に初めて海藻を売る海藻店と、ところてんを売る心太店が出来ましたが、その当時は身分の高い人の食べ物で、庶民にはほとんど出回っていなかったようです。
ちなみに、このところてんを凍結、乾燥を繰り返したものが寒天で、ところてんを保存していた際に偶然発見された食材とされています。

 【なぜ「心太」で「ところてん」と読むの?】

平安時代中期に作られた辞書「和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」によると、ところてんの語源は、原料である天草を煮るとドロドロに溶け、冷めると煮こごる藻であることから、「こごる藻葉(こごるもは)」と呼ばれ、これから出来たものを「こころぶと」と読んでいました。
ここから「こころてい」⇒「こころてん」と転じ、江戸時代には今の呼び名である「ところてん」となりました。
そしてこの「こころぶと」という呼び名の名残から今でもところてんを「心太」と表記しているようです。


 【食べ過ぎ予防に効果大!?低カロリーなところてん】

ところてんはそのほとんどが水分のため、あまり栄養成分は期待できませんが、その中でも食物繊維、ヨウ素が多く含まれています。
食物繊維は腸の運動を活発にして便秘予防に、善玉菌を増やして腸内環境を整える働きが期待できます。
また、食物繊維は腸内で水分を吸収してくれるので、満腹感を得やすくし食べ過ぎを防ぎます。
ヨウ素は体内の代謝を高めて成長を促すのに欠かせない栄養素で、特に海藻類に多く含まれています。
ヨウ素は不足しても、摂り過ぎても甲状腺に異常が現れるので気をつけましょう。

私は関東生まれなので、普段ところてんには酢じょうゆをかけて食べているのですが、関西では黒蜜で食べたり、また他の地域では酢じょうゆに砂糖を合わせたものや酢味噌で食べたりと、その地域によって様々な食べ方があるのを知りました!
この夏は色々な味にチャレンジしてみようかと思います!!

Text by まち/食育インストラクター