みなさん、「甜麺醤」(テンメンジャン)と聞くと何を想像しますか?
中華料理に使われる調味料で、料理でいえば、回鍋肉(ホイコーロー)や北京ダックが思いつくのではないかと思います。
冷蔵庫で眠っている調味料のひとつかもしれません。
今回は中国調味料である「甜麺醤」についてのお話です。
【甜麺醤はなんと小麦粉からできている】
小麦粉に麹を加えて発酵させて、甜麺醤は作られています。
「甜」は甘み、「麺」は小麦、「醤」は味噌を表します。
中国北部地方で生まれた調味料です。
そのため、北京料理でよく使われており、味噌炒めと日本で呼ばれているものには甜麺醤が使われています。
見た目はツヤがある濃い茶色をし、なめらかな状態。
甘みとコクがあり、普通の味噌よりも塩分を感じません。
ただし、日本で主流のものは大豆からできた味噌を使って甜麺醤が作られています。
【ジャンジャン使おう!】
そのまま舐めてもおいしい甜麺醤は、甘さやトロミを生かして使いこなしましょう!
練り味噌のように肉や魚介、野菜に合わせて、ソースやディップにしてそのままいただけます。
炒め物に加えても、コクが豊かで深みのある味わいになります。
豆板醤や黒酢、スパイスを加えてパンチをプラスしたアレンジもききます。
また、和風の煮物などに味の変化をつけてもおいしいですよ。
【まだまだあるジャン!中国調味料】
●豆板醤
揚子江流域のそら豆の産地で作られました。
「豆」はそら豆、「板」はそら豆を割り2枚になった状態、「醤」とは味噌のことをあらわします。
そら豆に麹と塩水を加えて発酵させたものが豆板醤で、本来は辛いものではないそうです。
これに唐辛子を混ぜて辛みを効かせたものを日本では豆板醤とされており、中国では豆板辣醬と呼ばれているものです。
●オイスターソース
中国では蠣油(ハオユウ)と呼ばれ、日本ではかき油の名前でも知られています。
本来は生がきを塩漬けして発酵、熟成させたエキスがベースですが、市販されているものは、生かきのゆで汁や煮汁に調味料を加えて加熱し、濃縮したものが主流です。
みなさんいかがでしたでしょうか?
甜麺醤の原料が小麦粉とは驚きでした。
中国の発酵調味料も普段の料理に取り入れて、レパートリーを増やしてみるのもおもしろいですね。
Text by ナナちゃん/食育インストラクター