日本には四季があり、その季節ごとにおいしい食材や料理があります。
今回は、春を代表する食材のひとつ、「筍」のお話です☆
【筍ってどんな野菜?】
筍は、土中に埋まっている竹の若い芽を掘り起こしたものを指します。
筍の種類は約70種類ほどあり、一般に食用にされているものは孟宗竹(もうそうちく)をはじめ、ほんの数種類です。
低カロリーかつ食べ応えがあるので、ダイエット中の方にもおすすめの食材です☆
【筍は部位で使い分けよう☆】
筍は部位によってかたさが異なるので、その特徴をいかしてさまざまな料理に活用しましょう♪
●姫皮(先端についている薄い皮)
やわらかさと優しい味わいをいかし、お吸い物や和え物などに。
●穂先
形をいかしてくし形切りにし、お吸い物や炊き込みご飯、和え物、煮物などに。
●中間部
最も使い勝手がよい部分。
炊き込みご飯や天ぷらなどに。
●下の部分
繊維が多くかたいので、細切りにして青椒肉絲などの炒め物に。
ちなみに…生の筍だけでなく、水煮のものも切った後にサッとゆでてから調理することで、独特の臭みが軽減できますよ☆
【筍は、とってもデリケート!】
筍は、収穫した瞬間からどんどん鮮度が落ちていく、デリケートな食材です。
収穫して3~4時間で、えぐみは2~3倍にもなります。
また、香りも抜け、かたくなってしまうので、購入したらすぐに下処理をしましょう!
【どんな栄養があるの?】
筍は全体の約9割が水分と言われています。
それを聞くと、「栄養はあんまりないんじゃ…」と思われる方も多いはず!
しかし、1食あたりの摂取量が多いので、含まれる栄養素を効率よく摂ることができるんです☆
今回は、注目すべき栄養素を一部ご紹介します♪
●カリウム
余分なナトリウムを体外に排出し、高血圧やむくみ、冷え性を予防します。
そのほか、筋肉の働きを正常に保つ働きがあります。
●チロシン
筍を切った時に出る白い粉は、アミノ酸の一種であるチロシンです。
脳内の神経物質であるアドレナリンやドーパミンの材料となり、脳を活性化させる効果があります。
●食物繊維
筍に含まれるセルロースという不溶性の食物繊維は、水分を吸収し大きく膨らむため、腸を刺激し、便秘や大腸がんの予防に役立ちます。
●アスパラギン酸
うま味成分であるアスパラギン酸は、代謝を高め疲労回復やスタミナアップに働きます。
【筍を選ぶときはここをチェックしよう!】
- 太くて短く、ずんぐりとしているもの
- ずっしりと重いもの(軽いものは水分が無くなり、鮮度が落ちています。)
- 切り口が白く、みずみずしいもの
- 皮の色が薄くてツヤがあり、産毛がそろっているもの
- 先端が黄色みを帯びていて開いていないもの
(緑がかっているものや黒っぽいものは日に当たっているので、えぐみが強い可能性があります。) - 根元はイボが少なく、赤い斑点のないもの
筍は鮮度が命の食材なので、購入する際にはぜひ参考にしてみてくださいね♪
【ゆでる時に一緒に入れる米ぬかや唐辛子は、一体何のため?】
一般的に生の筍をゆでる際には米ぬかや唐辛子を入れることが多いですが、その理由をご存知ですか?
それは、米ぬかや唐辛子が、えぐみのもととなるシュウ酸を吸着し、中和してくれるからです!
米ぬかの代わりに重曹を使うことも可能です。
ただし、多く入れ過ぎると重曹のにおいが残ったり、歯応えがなくなったりするので使用量に注意しましょう。
(目安として、1Lの水に対して、小さじ1杯程度の重曹を加えてください。)
水煮のものは通年販売されていますが、生の筍が出回るのはこの時期だけ!
味つけは薄めにして、旬ならではの香りやうま味を楽しみましょう☆
Text by はむこ/食育インストラクター