日本独特の甘味系調味料、“みりん”。
今回は、みりんの調理特性やお手軽レシピをご紹介します。
【「本みりん」と「みりん風調味料」って何が違うの?】
売り場でよく目にする「本みりん」と「みりん風調味料」。この2つの違いを皆さんご存知ですか?
- 原料と製造工程の違い
<本みりん>
原料→もち米・米麹・焼酎または醸造アルコールなど製造工程→これらを混ぜ合わせてじっくり熟成し、ろ過する熟成の間に、様々な糖類やアミノ酸などの旨味成分が作り出されます。
<みりん風調味料>
原料→米・米麹・水あめやブドウ糖などの糖類・調味料・酸味料など製造工程→熟成せず、混ぜ合わせるのみみりん“風”と名乗っているだけあり、糖類を加えることにより、みりん特有の甘さを表現しています。
- アルコール度数の違い
アルコール度数は本みりんが14度前後なのに対し、みりん風調味料は1度未満となっています。
さらに、本みりんにはお酒と同じ位のアルコール分が含まれており、酒税がかかっている為、みりん風調味料よりも価格がやや高くなっています。
その他にも、みりんには飲用に焼酎をプラスした「本直し」や酒税がかからないよう食塩を加えた「加塩みりん」などもあります。
【本みりんがもたらす嬉しい効果】
本みりんは、料理で使うと様々な効果が期待できます。
今回は代表的な効果を5つご紹介します!
①上品でまろやかな甘味で味をまとめる
豊富な糖類で構成されているので、料理がまろやかで上品に仕上がります。
②生臭さを消す
熱が加わると、素材に染み込んだアルコールが蒸発するのと一緒に、魚や肉の臭みも飛びます。
③味の染み込みを良くする
アルコールが食材に染み込む時に、他の調味料も染み込みやすくします。
④照り・ツヤを出す
複数の糖類が食材の表面に膜を作り、照り・ツヤをつけながら素材の水分や旨味を保ちます。
⑤煮崩れを防ぐ
糖とアルコールが働き、煮崩れを防ぎます。
見た目が美しいだけでなく、食材の旨味も逃しません。
【みりんを使ってお菓子を作ろう☆】
今回は、みりんを使ったお手軽スイーツを2品ご紹介します☆
- 口どけなめらか☆大人の生チョコレート
<材料>(12cm×12cmの型)
チョコレート・・200g
お好みの洋酒・・小さじ2
本みりん・・30ml(今回はラム酒を使用しました。)
生クリーム・・50ml
ココア・・適量
<作り方>
- チョコレートは予め刻んでおく。
- 本みりんを耐熱容器に入れ、500Wの電子レンジで約1分加熱し、冷ます。
- 鍋に生クリームを入れて温め、(1)を加えてよく混ぜて溶かす。
- (2)と洋酒を加えて混ぜ合わせる。
- クッキングシートを敷いた型に流し入れ、冷蔵庫で冷やし固めて2~3cm角に切り、ココアを茶こしで振りかける。
☆ポイント☆
・みりんを使うことで、滑らかでしっとりとした仕上がりになります。
・生クリームとチョコレートを溶かす際は沸騰させないよう、弱火で行なってください。
・今回はラム酒を使用しましたが、コアントロー(オレンジ風味のお酒)やブランデーを使用しても美味しく頂けます。
・お子様が召し上がる際は、洋酒は抜いて調理してください。
- レンジで簡単!リンゴのコンポート
<材料>(2人分)
りんご・・1個
レモン汁・・大さじ1
砂糖・・大さじ1
ミント・・適量
本みりん・・大さじ3
<作り方>
- りんごは皮付きのまま、くし型に切り、芯を取り除いて砂糖をまぶす。
- 耐熱容器に(1)を入れ、本みりんとレモン汁を加えてよく和える。
ラップをして500Wの電子レンジで約5分加熱して冷ます。 - 器に盛り、ミントを飾る。
☆ポイント☆
・今回は電子レンジを使用しましたが、鍋で調理してもみりんを使っているので煮崩れることなく艶やかに仕上がります。
・皮付きのまま調理すると、皮の部分だけがピンク色に染まり、可愛らしい仕上がりになります。
・皮の食感が苦手という方は、加熱の際に剥いた皮も一緒に加熱し、その後取り除くと綺麗なピンク色に仕上がります。
今回はお子様と楽しく作れる2品をご紹介しましたが、みりんの調理特性を活かせば和・洋・中、どんなジャンルでもみりんを使うことが出来るので、ご家庭でも是非ご活用ください☆
Text by ろい/食育インストラクター