今回のテーマは「スイカ」です!
黒と緑の特徴的な色合いを見ていると、夏の訪れを実感しますよね。
甘くて瑞々しいスイカはデザートに頂くことがほとんどです。
そのため漠然と「果物だ」と考えてしまいがちなのですが…なんと、野菜に分類されているのです!?
今回はそんなスイカのちょっと面白い話をお伝えします。
【結局どっちなの?】
果物の定義は主に「木になるかどうか」が判断基準になるといわれていますが、農林水産省では
- 2年以上の栽培期間であり
- 果実を食用とする
草本植物、もしくは木本植物を果物だと分類して扱っています。
つまり、木にならなくても果物として扱われることがあるのです。
スイカやいちごが果物に分類されないのは、一年生の植物から収穫されることが理由のようです。
ところが、ここで1つ困ってしまうのが、野菜の定義。
同じく農林水産省によると、生産分野においての野菜の定義は
- 田畑に栽培されている
- 副食物(主食とともに食べるもの)である
- 加工を前提としていないこと(漬物や家庭料理に使う場合は加工に含まない)
- 草本性である
と、このように記載されています。
一見するとスイカはこちらに分類されそうですが……スイカを白米のおかずにして食べるということは一般的ではないように思えますよね??
(もちろん、スイカを使用した料理のレシピはたくさんあるのですが)
では、結局どちらなのか?
実はスイカやいちごは「果実的野菜」という曖昧な存在として扱われているのです。
この果実的野菜とは、野菜に分類されているけれど、果実と同じ利用をされるものにつけられる分類なのだそうです。
とりあえず統計上の分類は野菜にしておくけれど、流通や栄養学での扱いは果実として数えても良いですよ、という状態なのです。
ちょっとスッキリしない結果なのですが、スイカは野菜だからいくら食べても大丈夫!
と食べ過ぎるのも少し問題があるので(これは後述します)、良しとしておきましょう…。
【夏に良い成分が含まれている、けど…】
スイカは成分の90%が水分のため、夏の水分補給の手助けをしてくれる存在です。
その他に体内のナトリウムのバランスを調整するカリウム・血管を柔らかくしなやかにする働きをするシトルリンなどの栄養素を含んでいます。
夏場のむくみ対策などにはもってこいの食材、なのですが…1つだけ注意しておかなければならない点があります。
それは、スイカはGI値が高く、血糖値を上げやすい食材ということです。
食欲が無いからと食事を抜いてスイカだけ食べているような場合は、太りやすい体になってしまうかもしれないので要注意です!
とはいえ、過剰に恐れる必要はありません。
食後のデザートに常識的な範囲で頂く分には、水分・カリウムの補給にぴったりの夏の風物詩ですよ!
Text by はむこ/食育インストラクター