この時期スーパーでよく見かける「サワラ」ですが、魚偏に春と書くのは、瀬戸内海や関西の辺りで春に最もとれていた為にこの漢字になったそうです。
現在は関東でも獲れるようになり、主に春先に多く出回ります。
昔から冠婚葬祭に使用されたり、日本の懐石料理にはつきものの魚です。
【出世魚・サワラ】
「サワラ」の語源は、ほっそりとした体形の魚なので、「狭い(さ)腹(はら)」という意味でこう呼ばれるようになったといわれています。
またサワラは出世魚で、関西では50cm前後までを「サゴシ」
50~60cm前後を「ヤナギ」
それ以上を「サワラ」と呼びます。
関東では50cm前後までを「サゴチ」
それ以上を「サワラ」と呼び、大きいものだと1m程にもなります。
【新鮮なサワラの見分け方・味の特徴】
体が細長く、体の中心に斑点があるのが特徴で、この斑点がはっきりしているものがより新鮮なものになります。切り身の場合は身に透明感があり、血合がはっきりとわかるものを選ぶと良いです。
味の特徴としては淡白でクセが無く、少し甘みもあるので、焼きもの・蒸しもの・煮物・新鮮なものは刺身など、あらゆる料理にも対応できる万能魚です。
卵巣も非常に美味しく、香川では卵巣をからすみにしているところもあるようです。
特に「幽庵焼き」や「西京焼き」が有名で、ほどよく脂が乗っていて、甘味もあるのでこの時期は非常にお勧めの魚です。
【サワラの食育ポイント】
栄養面でも、血液凝固の抑制効果が高いEPAや悪玉コレステロールを減少させる働きが高いDHAを多く含むので、血液をサラサラに保ち、脳細胞の活性化、中性脂肪やコレステロールの低減に効果があります。
またカリウムも他の魚よりも多く含まれている為、血圧を下げる効果もあり、生活習慣病の予防に期待できます。
味が良く、体に良い、一石二鳥な食材です。積極的に摂取したいものです。
text by りな/食育インストラクター