本格的な暑さの中、のど越しのよい「そうめん」をいただく機会も多いかと思います。
そんなそうめんですが、冬の寒い時期に最盛期を迎えることをご存知でしょうか?
今回は、夏にかかせない「そうめん」についてのお話です。
【冬に麺がつくられるワケ】
冬の寒い時期は、気温が低く、塩分が少ない製麺が可能になります。
そうめんは塩分が少ないので、「コシ」が強い質の良いものを作るには最適な気候といえます。
また、湿度も低く、晴天が多い冬場は乾燥させるためにも向いているためです。
【そうめんの熟成もの「古物」と「大古物」】
そうめんは熟成させると、コシが強くなり、茹でのびしにくくなります。
そうめんは、高温多湿の梅雨を越すことで、蔵の中で発酵をします。
「古物(ひねもの)」とは、2回目の梅雨を越す(製造から2年目を迎える)そうめんをいい、「大古物(おおひねもの)」は3回目の梅雨を越すものをいいます。
ただし、古ければ古いほど良いというわけではなく、食べ頃は製造から2~3年のものといわれています。
蔵の中でじっくりと熟成させることで、そうめんはさらに美味しくなるのです。
【“そうめん”と“ひやむぎ”のちがいはある?ない?】
機械で伸ばした麺の場合では、そうめんの太さは直径1.3㎜未満とされ、これより太い直径の1.3㎜以上1.7㎜未満はひやむぎ、1.7㎜以上はうどんと分類されています。
しかし手延麺の場合は、そうめんもひやむぎも同じ基準であり、直径1.7㎜未満であれば、「手延べそうめん」、「手延べひやむぎ」と分類されます。
これよりも太いものは「手延べうどん」と呼ばれます。
“手延べ麺”になると、「そうめん」と「ひやむぎ」のちがいがなくなるとは驚きです!
【おいしくそうめんを茹でるキホン】
そうめんの重量の7~10倍のたっぷりの湯を沸かし、そうめんをパラパラと入れ、菜箸で大きく混ぜ、もう一度煮立ったらできあがりです。
かたければ火を弱めて煮立ちを沈め、次にふきあがるのを待ちます。
ゆであげたそうめんは、表面と内部の水分量に差があります。
すぐに湯を切って、手早く水にさらすことで、コシの強さを残します。
より低い温度の氷水につけると、麺が引き締まり、歯ごたえもよくなります。
茹でてから30分以上経つと麺がベタついてしまうので気をつけましょう。
最近では機械で伸ばしたそうめんが主流となっています。
ぜひとも、手延べそうめんとの味、喉越し、コシなどの違いを楽しんでみてはいかがでしょうか(#^^#)
Text by ナナちゃん/食育インストラクター