独特な香りとほろ苦い味の春菊は、鍋料理に欠かせない野菜のひとつですよね。
でも、鍋料理だけではないのです!
サラダなど生でもおいしい「春菊」についてのお話です。
【世界ではあまり食べられていない?】
春菊の旬は11~3月と冬の今がおいしい時期の食材です。
名前に含まれている菊は秋の花。
なのに、春の菊で「春菊」とされているのは何だか不思議ですよね。
実はこの名前、春になると菊のような黄色い花が咲くことからついたと言われ、関西では菊の葉に似ていることから「菊菜」とも呼ばれています。
春菊の原産地はトルコやギリシャなどの地中海沿岸ですが、欧米では観賞用として用いられてきたため、野菜として最初に利用したのは中国だと言われています。
その後、17世紀に日本に伝わりましたが、現在でも春菊を食用としているのは、日本や中国、東南アジアなど一部の地域だけのようです。
【おいしい春菊の見分け方】
春菊は、緑色が濃く色鮮やかで葉の先までピンとしていて切り口がみずみずしいものを選びましょう。
保存するときは湿らせた新聞紙などで包み、ビニール袋に入れて野菜室で保存します。
この時に立てて保存すると、より長持ちします。
日持ちはしないので、2~3日で使い切らない場合はかためにゆでて冷凍庫で保存するのがおすすめです。
【油脂と一緒に使って吸収率アップ!】
春菊には、β-カロテン、ビタミンB2、C、Eなどのビタミン類、カルシウム、鉄、カリウムなどのミネラルを豊富に含んでいます。
なかでもβ-カロテンは、ほうれん草や小松菜を上回るほどです。
β-カロテンは体内でビタミンAとして働き、皮膚や粘膜を丈夫にして免疫力を高めます。
脂溶性のビタミンなので、天ぷらや炒め物、油と和えてナムルにしたり、肉と一緒に調理したりと、油脂と一緒に使うことで吸収率がアップします。
さらに、この時期に多い肌荒れに効果のあるビタミンC。
これを無駄なく摂るには、やわらかい葉の部分を摘んでサラダなどにして生で食べるのがおすすめです。
春菊独特の香りには、胃腸の働きを促したり、せきを鎮め、のどの炎症を抑える効果があると言われています。
風邪にかかりやすいこの季節。
加熱しても生で食べてもおいしい春菊のパワーで寒い時期を乗り切りましょう!!
Text by まち/食育インストラクター