小さな「しじみ」が持つ体をいたわる力とは?

小さな「しじみ」が持つ体をいたわる力とは?

汁物などで使用されることの多い“しじみ”
しかし、「身は小さいし食べない」という方も多いのではないでしょうか?
実はしじみの栄養は身にたっぷり詰まっているのです…!
今回は、小さなしじみの秘めたるパワーに迫ります。

【しじみの栄養】

古くから、しじみは肝臓に良い食材とされてきました。
ここでは、注目の栄養素を一部ご紹介します。

●オルニチン
アミノ酸の一種であるオルニチンは、食欲増進運動後の疲労回復が期待できます。
また、体内でアンモニアの解毒肝臓のアルコール分解を助ける働きもあります。

●タウリン
オルニチン同様、アミノ酸の一種で肝機能をアップさせたり、コレステロールを低下させる働きがあります。

●コハク酸
旨味成分の一種で、貝類ではトップクラスの含有量を誇ります。
そのほか、造血作用があるビタミンB12や鉄・銅なども含んでおり、貧血予防にも効果的です。

【旬は冬場だけじゃない!】

しじみは寒いこの時期も美味しいのですが、実は夏も美味しいのです。

●夏のしじみ
「土用しじみ」と呼ばれています。
土用と言うと、主に夏の土用(7月20日前後)をイメージする方が多いはず…。
夏の土用は「うなぎ」を食べるのが世間一般に広まっていますが、この時期のしじみは産卵のため体一杯に栄養を蓄えていて栄養価が高く、整腸作用があるとされていることから、夏バテ防止に適した食材としてこのように呼ばれるようになりました。

●冬のしじみ
「寒しじみ」と呼ばれています。
夏季の産卵を終えたしじみが秋~冬にかけて越冬のために栄養を蓄え、そして寒い冬になると湖底深くに潜り、その蓄えた栄養で冬を越します。
その「栄養を蓄えた」厳寒時期のしじみが、「寒しじみ」と言われます。


【しじみの砂抜きはちょっと特殊??】

しじみの砂抜きには真水や塩水につける方法がありますが、塩水につけた方が旨味がアップすると言われています。
ただし、元々しじみは汽水域に生息しているので薄い塩水(1%)で砂抜きをします。
しじみを重ならないようにトレイに並べて塩水をひたひたに注ぎ、冷暗所に2~3時間置いて砂を出してから使用しましょう。

身が小さく食べづらいしじみですが、汁物だけでなく炒め物や炊き込みご飯などにしても美味しく召し上がれます。
しじみが持つ体を労わる力を生活に取り入れ、この冬も元気に過ごしましょう!

Text by ろい/食育インストラクター

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