成長が早いので年に3回も収穫でき、「三度豆」とも呼ばれる「さやいんげん」。
原産地は中南米と言われ、江戸時代に隠元(いんげん)禅師によって日本へ伝えられたことから、この名がついたと言われています。
【さやいんげんの種類と選び方のポイント】
さやいんげんは、いんげん豆を若いうちにさや付きで収穫したものです。
一般的に出回っている、シャキッとした歯ごたえが特徴の「どじょういんげん」や、どじょういんげんよりも細く色鮮やかな「サーベルいんげん」、さやが幅広くやわらかい食感の「モロッコいんげん」など様々な品種があります。
選ぶときには、さやの緑色が濃く鮮やかでツヤのあるもの、細くてハリがあり、先端がピンと伸びているものが新鮮な証拠です。
大きくて太いもの、豆の形がさやに出ているものは育ち過ぎてかたい場合があるので注意しましょう。
【保存の方法と調理のポイント】
乾燥するとすぐにしなびてしまうので、ラップで包むかビニール袋に入れて野菜室で保存します。
収穫後時間が経つと風味が落ちやすいので早めにいただきましょう。
最近はスジの無いものが多いですが、基本的にはスジを取ってから使います。
茹でる時には、さやに爪を立てて跡が残る程度が茹で上がりの目安です。
後は、好みのかたさでザルに上げてください。
塩茹でしてから一度冷水にさらすと鮮やかな緑色が保てます。
食べきれない場合には、塩茹でして冷凍保存することも可能です。
ただし、食感は生のものより落ちてしまいます。
【さやいんげんの栄養と効能】
さやいんげんには、肌や粘膜を健康に保つ「β-カロテン」や、「ビタミンB群」、「ビタミンK」などのビタミン類、「カリウム」や「カルシウム」といったミネラルなどが含まれています。
他にも、たんぱく質の1つである「リジン」や「アスパラギン酸」が豊富です。
リジンは豆類に多く含まれる成分で、疲労回復や肝機能を高める効果、さらに髪を健康に保つ効果が期待出来ます。
また、アスパラギン酸も疲労回復に働き、体調を整えてくれます。
さやいんげんは、ごまやくるみなどのビタミンEを多く含むものと一緒に摂れば、抗酸化作用がアップします。
定番のごま和えは、美味しいだけでなく、体にも嬉しい料理ですね!
和え物や、炒め物、天ぷらなど、様々な料理に向いているさやいんげん。
最近では黄色や紫などカラフルなものも売られています。
種類によって食感や味わいが異なるので、自分好みのさやいんげんを見つけ、美味しくお召し上がりください!
Text by まち/食育インストラクター