ピリリと辛い「山椒」の魅力☆

ピリリと辛い「山椒」の魅力☆

「山椒は小粒でもピリリと辛い」ということわざがあるほど、その小さな粒には驚くべきパワーが!!
今回はそんな「山椒」についてのお話しです。

【とっても古い!?山椒の歴史】

山椒は日本原産のミカン科サンショウ属の植物で、縄文時代にはすでに利用されていたと言われるほど古くからあるスパイスです。
平安時代には薬用としても用いられており、咳やのぼせ、下痢などに効果があるとされていました
室町時代には今日の様な使い方がされており、明治時代から栽培が始められたと言われています。
中華料理でよく使われている「花椒(ホワジャオ)」は中国原産で、同じミカン科ではありますが種類は異なります。

【呼び名がたくさん!】

山椒は、若葉・花・実・皮など全ての部分が利用されています。
若葉は「木の芽」と呼ばれ、春先が食べごろです。
その後4~5月ごろに咲く黄色い花は「花山椒」、その後に出来る青い実を「青山椒」成熟した実を「実山椒」と呼んでいます。
実山椒のなかでも秋ごろに十分に熟し、実が裂けて種子がはじけたものは「割り山椒」と呼ぶなど、同じ山椒でもこんなにたくさんの呼び名があるのは面白いですね。


【山椒のピリリとした辛みのもとは?】

山椒のピリリとした舌がしびれるような辛みは、「サンショオール」によるものです。
サンショオールは青山椒に最も多く含まれ、大脳を刺激し、内臓器官を活発にさせる効能があります。
それにより胃腸の機能を高め、消化不良や食欲減退などを改善させる効果が期待できます。
また、代謝を促し、発汗作用もあるため、冷え性にも有効です。
山椒特有の香りは「シトロネラール」、「ジテンペン」、「ゲラニオール」などの精油成分によるもので、胃腸の調子を整えたり、体を温めてくれます

【木の芽の香りをより楽しむには?】

香りとそのピリリとした辛みが特徴の山椒ですが、木の芽はそれほど強い香りを持っていません。
これは、葉の組織中に香り成分が閉じ込められているためです。
木の芽の香りをより楽しむためには、使う前に手のひらでパンと叩いて組織を壊し、外に香り成分を出すと良いでしょう。

おいしいのでついついたくさん食べたくなりますが、山椒に含まれるサンショオールには局部麻酔性があるので食べ過ぎには注意が必要です。
お吸い物や和え物、木の芽みそなど様々な料理で山椒を楽しみましょう!!

Text by まち/食育インストラクター