私たちの身体にかかせない「塩」。
1月11日は「塩の日」です!
今回はさまざまな角度から「塩」についてご紹介します!
【「塩の日」となったワケ】
さかのぼること1567年。
今川氏との同盟を破棄して東海方面へ進出を企てた武田信玄ですが、それに怒った今川氏が北条氏とともに、武田側に塩が入らないようにしました。
領民が塩を取ることができず困っていたところに、長年敵対関係にあり武田信玄のライバルとして知られる上杉謙信から越後の塩が送られ、1569年1月11日に武田信玄の領地である松本藩領(現在の松本市)に到着したことから、このことを記念して、「塩の日」が制定されました。
そして「敵に塩を送る」(争っている相手が苦しんでいるときに、争いの本質ではない分野においては援助を与えることのたとえ)という故事の由来でもあります。
この1月11日を記念して、長野県松本市では、毎年お祭りが開かれ、「塩取り合戦」と呼ばれる綱引きも行われるそうです。
おもしろいですね(^^)
【一日の食塩摂取量の目標値を知っていますか?】
★健康な成人の場合の一日の食塩摂取量
男性:8.0g未満
女性:7.0g未満
(2015年4月から改正されました)
★高血圧の治療を要する人:6g以下
★腎臓疾患者の場合:3~6g以内
ちなみに、世界保健機関(WHO)では食塩の摂取量を1日5 gとしています。
塩5gは小さじ1杯。
とっても少なく感じてしまいますよね。
調味料そのものだけでなく、日ごろから食べている加工食品にも意外と多く含まれていたりするので、過剰に摂りすぎないように心がけましょう!
【食塩とナトリウムのちがい】
食品の外装やパッケージに表記されている栄養表示をみると、「ナトリウム○○mg」と記載されているものがありますよね?
このナトリウムというのは食塩に含まれる成分の一部のことであり、「ナトリウム量」=「塩分量」ではありません。
ナトリウム量を食塩相当量に置き換える計算式があるのです。
ナトリウム量(mg)×2.54÷1000=食塩相当量(g)
たとえばナトリウムが500mgと表記されているものは、食塩相当量が1.27gとなります。
計算するのは少し大変ですが、食品に含まれる食塩相当量をしっかりと把握することはとても大切です。
ちなみに2015年4月1日から加工食品の食塩相当量の表記が消費者庁より義務付けられました。
栄養成分表示をみるクセづけも良いかもしれませんね。
【賞味期限はない?】
塩には「長期間保存しても品質上問題はありませんので、賞味期限は記載しておりません。」と明記されています。
そして砂糖にも賞味期限は記載されていません。
塩や砂糖は腐敗しないので賞味期限がないのです。
ちなみに、アイスクリームにも賞味期限はありません!
アイスクリームは、-18度以下での冷凍保存の状態において、微生物は増殖しないこともあり、品質劣化が極めて小さく、安定している食品ということで賞味期限の設定がされていないのです。
【サラリーマンの語源は塩だった】
サラリーマンは英語にすると「salary man」ですが、これは日本だけの和製英語です。
サラリー(salary)は古代ローマ時代に、国が兵士に対し、給料として与えていた「塩」を表すラテン語のサラリウム(salarium)に由来します。
今も昔も人間の生命維持のために重要な塩は、当時の人にとってもは貴重な必需品だったのでお給料として塩で支払われていたのです。
このサラリウム(salarium)は、やがて英語のソルト(Salt)の語源となります。
サラリーマンという語が使われ始めたのは大正時代からで、ホワイトカラーと同意語のように用いられ、事務労働の給料生活者を指すことが多かったそうです。
今回は「塩」のテーマで色々とご紹介させていただきましたが、まだまだ知らないこと、おもしろいことがたくさんあります!
生活にかかせない「塩」について見つめ直せるいい機会となりました。
なにより普段から口にする食べ物で身体は作られますので、摂取する塩分量を意識するキッカケとなれたら幸いです♪
Text by くまこ/食育インストラクター