淡いピンク色の生地が春の訪れを感じさせてくれる「桜餅」。
私は関東に住んでいるので小麦の生地にあんを包んだ桜餅をよく食べていますが、実は関西で主流と言ったらこの桜餅ではないそうです。
皆さんは桜餅が2種類あるのをご存知ですか?
【関東と関西で異なる「桜餅」】
桜餅は大きく分けて関東風の「長命寺(ちょうめいじ)」と、関西風の「道明寺(どうみょうじ)」の2種類があります。
「長命寺」は小麦などの生地を焼いた皮であんを包み、塩漬けの桜の葉を巻いたものです。
その昔、長命寺の門番であった山本新六が桜の葉の掃除に悩み、桜の葉を何とか出来ないかと考え、塩漬けにして薄い皮にあんを包んだものに巻いて売り出しました。
これが江戸で大ヒット!
関東ではこちらのタイプの桜餅が主流となりました。
一方「道明寺」は、道明寺粉で作った皮であんを包み、塩漬けの桜の葉を巻いたもので、道明寺粉の粒々とした食感が特徴です。
道明寺粉とは、もち米を蒸して乾燥させ、それを粗挽きにしたもので、大阪の道明寺で保存食として作られていたのが始まりとされています。
関西では、こちらのタイプが主流です。
しかし、現在では関東関西問わず、和菓子店では両方が売られることが多くなってきています。
【お家で作ろう!関東風「桜餅」】
<材料(8個分)>
白玉粉・・10g
薄力粉・・90g
砂糖・・50g
水・・120g
こしあん・・200g
色粉(赤)・・少量
桜の葉の塩漬け・・8枚
<作り方>
- 桜の葉はさっと水洗いし、水に30分程度つけて塩抜きする。
こしあんは8等分にし、俵型に丸めておく。 - ボウルに白玉粉を入れ、分量の水から大さじ1取り分けて加え、混ぜる。
粒が無くなったら、残りの水を加える。 - (2)に振るった薄力粉を入れて泡立て器で混ぜ、全体が混ざったら砂糖を加えてさらに混ぜる。
- (3)に色粉を少量ずつ様子を見ながら加えて、桜色に着色する。
- フライパンを弱火で温め、油(分量外)を薄く塗る。
(4)の生地を大さじ1程度流し、スプーンの背で楕円形に広げる。 - 表面が乾いてきたら裏返してサッと焼き、ケーキ網などに取り出す。
- (6)の粗熱が取れたら(1)のあんを生地で包み、水気を拭き取った桜の葉を葉脈が表側になるように巻く。
今回はどのご家庭にもあるフライパンで作るレシピにしましたが、ホットプレートがある場合には温度調整が出来るのでそちらで作るのがおすすめです。
桜餅に欠かせない桜の葉ですが、そのままではあの特有の香りはしません。
塩漬けにすることによって「クマリン」と呼ばれる芳香成分が微量ですが生成され、それがあの香りを醸し出してくれるのです。
暖かくなり、体で春を感じられるこの季節。
桜餅を食べて、目で、そして香りでも春を楽しみましょう!!
Text by まち/食育インストラクター