フランスのエイプリルフール「ポワソンダブリル」とは?

  フランスのエイプリルフール「ポワソンダブリル」とは?

4月1日は、みなさんもご存知のエイプリルフールです。
この日は軽いいたずらで嘘をついても許される日として、お馴染みですよね!
フランスでは「ポワソンダブリル」と呼ばれる、日本とはちょっと違った風習があるのをご存知ですか?
いったいどんな風習なのか、簡単レシピとともにご紹介します。

【ポワソンダブリルってなんだろう】

4月1日のエイプリルフール、フランスでは「ポワソン・ダブリル(Poisson d’Avril)」と言って祝われています
ポアソン(Poisson)は「魚」、ダブリル(d’Avril)は「4月」を意味しています。
この魚は「サバ」(maquereau)のことを表していると言われています。
理由は諸説あるようですが、あまり利口でないサバは、4月になると簡単に釣ることができるからと言われ、4月1日にこのサバを食べさせられた人のことを「4月の魚」というということ。
その他に、4月初めは魚の繁殖期で漁が禁止されていたため、漁師は偽の魚(ありえないもの)を贈り「4月の魚!」と大声で叫んだという説。
また最近の説としては、4月1日はキリスト教徒にとって、肉食が禁じられる四旬節の後にあたり、魚はよく贈り物にされていたため、モチーフとなったというものなど数多くいわれています。
起源はどうあれ、面白いお祝いですね!

【どんな風習があるの?】

フランスのお菓子屋さんでは、パイやケーキなど、色とりどりの魚の形をかたどった、スイーツがショーケースに飾られるそうです。
また、子ども達は、魚の絵を描いて誰かの背中にこっそりと貼りつけるといったいたずらも許されていると言われています。
いたずらが見つかったら「ポワソンダブリル!」と言ってからかうようです。

【パイはなんと729層でできている】

今回はパイ生地を使って「ポワソンダブリル」を作りましたが、そのハラハラとくずれる軽やかなパイは、小麦粉とバターの層が重なり合ってできています。
小麦粉の生地でバターを包み込み、伸ばしたものを3つ折りにします。
それを2回ごとに3回繰り返す、計6回折り込むことで、なんと「729」もの層ができあがるのです!
何層も重なりあっているとは思っていましたが改めて数字をきくと驚きです!


【パリパリさくさくのパイが焼きあがるしくみ】

何層もバターと小麦粉の生地が重なりあい、焼くことによってバターが溶けて生地に吸い込まれ、バターと生地のすき間を蒸気が持ち上げることによって、パリっとさくっとおいしい食感がうまれるのです!
パイの繊細な薄い層は、バターと小麦粉の力によってつくられています

【ポワソンダブリル簡単レシピ】

<材料>直径約23㎝魚1匹分
冷凍パイシート・・2枚

(カスタード)
牛乳・・100cc
卵黄・・30g
グラニュー糖・・30g
小麦粉・・7g
生クリーム・・50g
バニラエッセンス・・3滴
卵・・適量
いちご・・1パック
チョコペン(白・黒)・・各1本

<下準備>
・工作用紙などで魚型の型紙をつくる。
・オーブンは200℃に温めておく。

<作り方>

  1. 冷凍パイシートを冷蔵庫で少し解凍し、1枚ずつ型紙をのせて魚の形に切る。
    1枚は真ん中をくり抜く。(くり抜いたパイシートは今回使わないので冷凍庫で保存するなどしてください)
    真ん中をくり抜いた生地を上にし、生地同士が重なり合う部分に刷毛で水を塗り、重ね合わせる。
    フォークで真ん中の部分を数か所刺し、生地が浮かないようにする。
  2. パイのふちに溶き卵を刷毛でぬり、冷蔵庫に入れて乾かす。
    乾いたら、もう一度卵を塗る。
    ※一度塗りだと色がのりづらいので二度行います
  3. 包丁でヒレの切れ込みをいれる。
    パイのカットした断面に包丁を縦にして1センチおきくらいに浅い切れ目を入れる。
    ※卵を塗ってから切れ込みを入れることでキレイに模様が付きます
  4. 200℃のオープンで約10分焼く。
    真ん中が浮いてくるので、フォークなどで押しつぶす。
    さらに15分焼き、様子を見て真ん中の生地が浮いていたら、同様にフォークでつぶす。
    さらに20分ほど様子をみながら、こんがりと焼き色がつくまで焼く。
    網などにのせて冷ましておく。
  5. カスタードクリームを作る。
    牛乳を鍋に入れ、ふつふつとするまで温める。
  6. ボウルに卵黄、グラニュー糖を加えすり混ぜる。
    ふるった小麦粉を加え混ぜる。
  7. 牛乳を⑥に加えて混ぜ、濾しながら鍋に戻しいれる。
  8. 中火にかけ、泡だて器でかき混ぜてしっかりとろみがついたら、ボウルに移し氷水にあて冷ます。
    ※とろみがつき、フッとだれてツヤが出てきたころが目安です
    ※ダマになりやすいので、泡だて器でしっかりと全体をかき回しましょう
  9. 生クリームを氷水にあて、8分立てまで泡立てる。
  10. ⑧に生クリームを2回に分けて加え混ぜ合わせる。
  11. パイ生地にカスタードを絞り、イチゴを並べる。
    チョコペンで目を飾る。

今回は簡単に冷凍パイシートを使って、シンプルにカスタードクリームとイチゴで作りました。
カスタードにはバターを入れずにさっぱりと仕上げています。
イチゴの酸味と甘い香りがサクサクのパイとまろやかなクリームで間違いなし!のおいしさです☆
 エイプリルフールに「ポワソンダブリル」を作ってみてはいかがでしょうか。

 Text by ナナちゃん/食育インストラクター