シャキシャキ歯触りの和梨と異なり、ねっとりととろけるような食感の「洋梨(西洋梨)」は今が食べ頃の果物です。
【洋梨の栽培は難しい!?】
秋から冬にかけてが旬の洋梨は、代表的な「ラ フランス」や「ル レクチェ」をはじめ、「バーレット」、「オーロラ」など多くの品種が栽培されています。
洋梨と言えば比較的新しい最近の果物のイメージがありませんか?
実際私が初めて食べたのは高校生の頃で、その味と香りに衝撃を受けたのを覚えています。
その洋梨が日本に入ってきたのは明治時代初期の頃と言われています。
しかし、洋梨は花から実になるまでに時間がかかり、天候や虫の影響も受けやすく、見た目が悪かったり、栽培が難しいということからその当時は広まらず、昭和後半頃になって知られるようになってきました。
【洋梨の種類とその特徴】
①ラ フランス
その名の通りフランスが原産で、日本で最も多く栽培されている洋梨です。
ゴツゴツとしていてずんぐりとした形が特徴で、果皮は黄緑色。
果肉はとろけるようなやわらかさとやさしい酸味、そして何よりも上品な甘みがあります。
ラ フランスは熟してもそれほど見た目の色は変わりません。
②ル レクチェ
ル レクチェもフランスが原産の洋梨です。
ラ フランスよりも少し果実は大きく、果皮は熟すときれいな黄色になります。
果肉はなめらかでとてもみずみずしく、芳醇な香りと、濃厚な甘みが特徴です。
フランスからはじめて導入した新潟県が主な産地です。
③オーロラ
オーロラは2つの洋梨を掛け合わせ、1960年代にアメリカで生まれた洋梨です。
果皮は熟すと黄色くなり、なめらかな果肉と強い甘味、豊かな香りが特徴です。
日本には1980年代に導入された洋梨の中で比較的新しい品種です。
【美味しい洋梨を見分けるポイント】
購入した洋梨を食べたら硬かったという経験はありませんか?
それはまだ洋梨が熟していない証拠。
そこで食べ頃の洋梨を見極めるポイントをご紹介します。
種類によっても異なりますが、基本的に洋梨は皮が緑色から黄色になったもの、軸の回りをそっと触りやわらかさを感じたものが食べ頃です。
また、熟すとどんどん香りも強くなってきます。
購入した洋梨がかたい場合には、追熟させる必要があります。
紙袋に入れたり新聞紙に包むなどをして15~20℃位の場所で保存し、熟したら冷蔵庫で2~3時間冷やしてから食べましょう。
完熟した洋梨は日持ちしないので、早めに食べきるようにしてください。
コンポートやタルト、ババロアなどはもちろんですが、完熟した洋梨の皮と種を除いて冷凍庫で冷やしかため、半解凍の状態で食べるとねっとりとした食感のシャーベットにもなりますよ!
Text by まち/食育インストラクター