シワが寄ってきたら食べごろのサイン!プチっと弾けるパッションフルーツの話

濃い紫色の果皮の中に鮮やかな黄色の果肉が詰まった「パッションフルーツ」
種まで食べることができ、そのプチっと弾ける食感が魅力です。

【なぜ「パッション」フルーツと呼ばれるの?

パッションフルーツは南米が原産地の果物で、古くから自生していたと言われています。
世界中に広まったのは17世紀以降で、「パッション」の名もこの時についたそうです。
日本には明治時代頃に伝わり、沖縄県や鹿児島県などの暖かい地域で多く生産されています。
英語で「パッション」は「情熱」を意味しますが、この場合は情熱という意味ではなく、「キリストの受難」を表しているそうです。
これは、パッションフルーツの花の一部にある十字の形が、キリストが十字架にかけられた姿に似ていることからと言われています。
日本では花が十字架ではなく、「時計」に見えたので、「トケイソウ」とも呼ばれています。

【美味しいパッションフルーツの見分け方

果皮全体が濃い紫色でツヤがあり、傷やへこみが無いものを選びましょう。
一般的に食べごろのものが出回っていますが、酸味が苦手な人は、皮にシワが寄り、甘い香りがしてくるまで常温においておくと、酸味がやわらぎます。
パッションフルーツは種ごと食べられるのが特徴なので、食べる1時間位前に冷蔵庫に入れて冷やしてから実を半分に切り、中のゼリー状の果肉と種を一緒にスプーンですくってプチっとした食感と特有の甘酸っぱさを楽しみます。
そのままで食べるのはもちろんのこと、水や牛乳などと一緒にミキサーにかけてジュースにしたり、そのまま凍らせてシャーベットの様にするとまた違った味わいが楽しめます。


【パッションフルーツの嬉しい効能

パッションフルーツに豊富に含まれている「β‐カロテン」は、皮膚や粘膜を丈夫にして免疫力を高め、風邪予防に効果的です。
また、強い抗酸化作用があり、活性酸素から体を守るため、がんや老化予防にも期待できます。
その他にも、肌や髪の健康を保つ「ビタミンB6」、たんぱく質の合成や赤血球を作るのに欠かせない「葉酸」、アルコールの分解をサポートし、二日酔い予防にも効果が期待できる「ナイアシン」などのビタミンB群が豊富に含まれています。
酸味のもとである「クエン酸」は、疲労回復に役立つので、暑くて体力を奪われがちな今の季節にぜひ食べたい果物です。

少し前までは、旬にならないと見かけることがほとんどなかったパッションフルーツですが、最近は輸入物が通年出回っています。
ただ、国産は6~8月のこの時期にしか食べられないので、見かけたらぜひお試しくださいね。

Text by まち/食育インストラクター