日本で空前の大ブームを巻き起こした「パクチー」。
好きな人にはたまらないあの香りも、嫌いな人には絶対無理!となり評価が真っ二つに分かれる香味野菜です。
パクチーは春と秋にそれぞれ旬を迎えるため、今の季節はまさに、パクチーが旬を迎える時期!
ブームを起こしたその魅力について迫ります!
【別名・カメムシ草!?】
パクチーというとエスニック料理、つまり東南アジアのイメージが強いのですが、実は地中海沿岸から西アジアが原産地だとされています。
紀元前から薬草として扱われていたため、英語ではコリアンダー、中国語では香菜(シャンツァイ)と、様々な名で呼ばれている香草です。
では、日本での呼び方は無いのか?というと、なんと!
カメムシソウという不名誉な(?)名で呼ばれていたと言われています。
本来は別の名前があったようなので、これは俗称にあたるのですが、それにしてもカメムシとは…
当時の日本人がよいイメージを持っていなかったであろうことが容易に想像できる名前ですね。
なお、同じセリ科であるミツバやセリは日本の香草の代表格に数えられています。
しかし、これらの食材がよく使われるお吸い物やおひたしでパクチーを食べるとすると…なんだか出汁の香りとケンカしてしまいそうですね。
日本で好まれなかった理由の一つなのかもしれません。
【その効能やいかに!?】
パクチーの大ブームにはやはり健康効果が高いという理由があるのでは…?
ということで、少しおさらいしてみました!
まず、パクチーの栄養価の中で特筆するべきはβ-カロテンです。
緑黄色野菜に多く含まれ、肌のターンオーバーを高める働きがあります。
また、ビタミンCも含まれているので紫外線の強い季節に肌を守ってくれる効果もあります。
その他にもカリウムや鉄などのミネラルも含まれている、栄養価の高い香草といえそうです。
最大の魅力(人によっては最大の欠点かもしれませんが)であるあの香りは、セルミンやデカナールと呼ばれる成分によるものです。
また、複数の精油成分(リナロール・ゲラニオールなど)が含まれていて、胃腸の働きを助けるため、食欲不振や夏バテなどを防ぐのに役立ちます。
湿気の多い東南アジアで好まれるのも納得ですね☆
いいことだらけのようにも思えますが、コリアンダーがスパイスの一種に数えられているように、本来はメインで食べるような使い方はされていませんでした。
それもそのはずで、パクチーは食べ過ぎると腹痛や下痢をもたらすと言われています。
個人差や体調によるところが大きいのですが、刺激の強い野菜であることも忘れずに楽しむようにしましょう☆
Text byはむこ/食育インストラクター