見た目が華やかで、おこげが美味しい料理といえば…そう、パエリア!
私は食材の旨味がギュッと詰まったパエリアが好きで、時々「パエリアが食べたい!」という衝動に駆られます(笑)。
今回は、近年、専門店ができる程の人気を博しているパエリアについてのお話です。
【パエリアってどんな料理?】
パエリアは、元々スペイン東部のバレンシア地方の代表料理の1つ。
パエジェラと呼ばれる専用のパエリア鍋(取っ手のある平底の浅くて丸いフライパン)で調理する米料理で、たっぷりの具を炒めて、米と水・サフランを加えて炊き上げます。
その際、日本のように蓋はせず(むしろ具が蓋の代わりというようなイメージで)、パスタのアルデンテ同様、米に僅かに芯が残るようにし、鍋の底にはおこげが出来るようにします。
スペインではパエリアの祭りもありますが、実はアラブが起源で、西暦9世紀以後、バレンシアのイスラム教徒の間で作られてきました。
日本では魚介類を用いたものが一般的ですが、オリジナルのバレンシア風パエリアは本来ウサギや鶏・インゲン豆・パプリカなどが中心で作られます。
バレンシアの猟師が獲物を米と一緒に煮込んだのが始まりといわれ、基本的に塩とサフラン以外の調味料・香辛料は入れないので、材料の風味を生かした素朴な味わいとされています。
また、パエリアは元々カタルーニャ語でフライパンを意味しますが、現在では料理の名称として浸透しています。
【サフランって何?】
パエリアの色と香りのもととなっている、サフラン。
サフランは、地中海原産の秋に咲くアヤメ科の多年草です。
淡い紫色の花ですが、サフラン独特の香りと色は、この花の3本に枝分かれした雌しべを摘み取って乾燥させたものです。
小さな花から全て手作業で摘み取る手間と、たった1gのサフランを作るためには約150~170個もの花が必要なこともあり、世界一高価なスパイスとして知られていますが、ほんの少しの量でも鮮やかな黄色と香りが楽しめます。
主に、パエリアやブイヤベースなどの魚介を使った料理に使われるほか、お菓子や飲み物などにも用いられます。
サフランに含まれる色素成分のクロシンは水に溶けやすい性質なので、水やぬるま湯など水分に浸して色出しすると、より綺麗な黄色に仕上がります。
(おすすめは20分以上)また、色出ししたサフラン自体もそのまま料理に入れて食べることが出来ます。
【代々木がスペイン一色になる!?】
11月26日(土)、27日(日)には、代々木公園で日本最大級のスペインフェスティバルが開催されます!
このイベントは2013年に初開催し、昨年は2日間で約12万人を動員したという人気っぷり☆
パエリアやタパスなどスペイン料理店の自慢の味が集結!そのほか、ワインや雑貨なども販売されます。
また、事前予約をすれば本格的なパエリア作りを体験することが出来ます!日本パエリア協会のシェフがサポートしてくれるので、初めての方でも安心ですね。
時間は10時から19時までで、雨天決行とのことです!
ピラフ・リゾットと並ぶ世界三大米料理のパエリア。
この秋は代々木で、スペイン気分を満喫してみてはいかがでしょうか?
Text by ろい/食育インストラクター