何気なく食べているお米、一体いつから食べられているの?

私たちの食生活に欠かせない「米」。
普段何気なく食べていますが、いつから食べられるようになったのか知っていますか?
今回は、米の歴史とおいしい炊き方をご紹介します。

【稲作が始まったのは食糧難から?

小麦、トウモロコシと並んで「世界三大穀物」である「米」。
その歴史は古く、日本には縄文時代後期に伝わり、弥生時代には本格的に稲作が始まったとされています。
弥生・奈良時代にはすでに、もち米・うるち米の2種が食べられていましたが、当時は今の食べ方と違い、米を水でドロドロに煮たものを食べるのが普通でした。
稲作が始まった理由として挙げられるのが、それまで狩猟や採集、漁猟に頼っていた人々が、人類の増加や気候の変化によって食糧難となり、より食糧を確保するためであったと考えられています。
そして、日本の高温多湿の気候が稲の栽培に適していることや、長期保存できること、さらに日本人の味の好みによく合った食べものであることから栽培が進み、のちに主食として食べられていくようになりました。

【とても貴重であった米

平安時代になると、現代のご飯に近い「強飯(こわいい)」「姫飯(ひめいい)」と呼ばれるものが出てきましたが、一般の人が食べることはほとんどなく、主に食していたのは上流階級の人でした。
今のようなご飯の炊き方が広まってきたのは、江戸時代中期からと言われています。
しかし、このご飯を食べられたのも上流階級の人だけでした。
それは、当時の米作りの収穫量が今と比べ物にならないほど少なく、そのお米も農民は年貢として納めなくてはならなかったからです。
手元に残るのはわずかで、普段はアワやヒエなどの雑穀を食べ、貴重な米は節句や大切な行事の時に食べていました。


【おいしいお米を炊くポイント

昔は、かまどに火をおこし、時間をかけて炊いていたごはんですが、今では炊飯器のおかげで簡単においしいごはんが食べられるようになりました。
普段食べているごはんもちょっとしたコツをおさえれば、さらにおいしいごはんに大変身!!
炊き方のコツを覚えましょう。

①お米をはかる
はかりでしっかりとはかることが出来ればベストですが、お家にはかりがない人もいますよね。
そんな時は、炊飯器専用の計量カップを使ってはかりましょう。
まずは、計量カップ山盛りにお米を入れます。
そして計量カップの縁が平らになるよう、お箸などですりきります。
こうすると誤差もほんのわずかです。
ただし、ここで注意が必要なのは、普段料理に使う計量カップと、炊飯器専用計量カップの容量は異なるということ。
間違えずにはかって下さいね。

②お米を洗う
以前は「米を研ぐ」という表現がよく使われ、実際キュッキュと押してお米を洗っていたのではないでしょうか?
しかし、最近のお米はキレイに精米してあるので、必要以上に研ぐのはNG
お米を割らないように洗う程度にしましょう。
ここでのポイントは、「最初の1回はたっぷりの水でかき混ぜ、すぐに水を捨てること」。
これは、お米が落としたぬかを吸ってしまい、ぬか臭いごはんになってしまうのを防ぐためです。
その後は、2~3回水を取り替えながらお米を洗ってください。
水が透明になるまで洗う必要はありませんよ。

③水加減
炊飯器の内釜に洗ったお米を入れ、平らな場所に置いて目盛のところまで水を加えていきましょう。
あとは、ご家庭によってかため、やわらかめと好みがあると思いますので、水加減を微調整してください。

④ほぐし
炊き上がったら、すぐにごはんをほぐします。
このとき、ごはんの粒をつぶさないよう、切るようにしてやさしく混ぜるのがポイントです。

【お米の保存方法

お米は常温で置いておくと室内の湿気を吸い、傷む原因になり、おいしさも失われてしまいます。
なので、購入したら冷蔵庫の野菜室に入れて保存するのがおすすめです。
冷蔵庫に入れるときは、密閉容器や密閉袋、キレイに洗って乾燥させたペットボトルなどに移しましょう。
買ったままの米袋のまま保存する方もいるかと思いますが、米袋には空気穴がついているので、湿気やにおいを吸ってしまい、おいしく保存できません。
また、お米は日が経つにつれて風味が落ちてしまいます。
なるべく1ヶ月くらいで食べきる量を目安に購入してください。

日本では、900種ほどの数が品種登録され、このうちの約300種が主食(ごはん)用として作られています。
最近では、スーパーなどでも日本各地のお米が出回っていますので、いろいろ試し、自分好みの味や食感のお米を見つけてみてはいかがですか?

Text by まち/食育インストラクター