初夏の爽やかな気候を堪能できるのもほんの一時ばかり…。
梅雨と猛暑と戦う日々が日に日に近づいています。
ジメジメ空気がやって来るその前に、もう一度食材の保存方法を見直してみましょう。
【夏は(食材にとっても)厳しい!】
夏といえば食中毒!今回は冒頭からネガティブなことを言ってばかりですが、夏は食品が傷みやすい時期です。
「そんな当たり前のことを…」と思われるかもしれませんが、みんなが注意する時期にも関わらず、食中毒が発生しやすいのが夏なのですね。
なぜなら、食中毒菌が最も増えやすい温度帯は30~40℃です。
室内は多少涼しくなるとはいえ、夏はこの危険な温度帯に一番近い気候です。
対策は怠らないようにしたいですね。
【冷凍してるから大丈夫…ではない!?】
お肉やお魚を保存する時にNG!なのは、解凍品を再冷凍することです。
冷凍時に繊維は壊れてしまい、解凍時にこの壊れた部分からドリップ液と呼ばれる水(赤やピンク色の液体)が出てきます。
生肉、生魚を購入した時などに見たことのある方もいらっしゃると思います。
このドリップ液、食中毒菌にとってはとってもよい住み家!
元は冷凍してあるのだから大丈夫でしょと過信してしまいがちですが、冷凍しても菌は死滅しないので、解凍時にドリップ液の中で増殖してしまう可能性は十分にあります。
(食中毒は腐るとは違うものなので、見た目や臭いで安全かどうか判断は出来ません)
なにより、ドリップ液には大事なうま味が一緒に溶け出しています。
再冷凍をするたびに繊維が壊れてうま味と水分が流出してしまうので、味もいまいち、食感はパサパサのおいしくないお肉(お魚)になっていきます。
なお、販売の時点で冷凍されていたお肉やお魚は「〇〇〇〇(解凍)」のように、冷凍されていたことがわかる表記が義務づけられています。
購入の際にチェックする習慣をつけるとよいですね。
自分で冷凍したものでも、解凍品を購入した場合でも、一度解凍したお肉(お魚)であれば全部使い切る!のが鉄則です。
【水が大敵!?】
食品そのものが傷まないように保存するのも大切なポイントです。
たとえば、買ってきた生魚を一尾まるまる冷蔵庫に入れてしまうと、翌日には臭くなっていることがよくあります。
これはお腹のなかにある内臓が傷むのが早いからです。
もとの鮮度がよくても、こうなってしまってはおいしさも半減。
状態によっては廃棄しなければならないことも…?
ですが、おろして切り身状態になっていれば、翌日でも臭みが抑えられおいしく食べられます。
では、切り身のお魚やお肉ならそのまま保存しても大丈夫かというと…こちらもそのまま保存はNG。
切り口の繊維からドリップ液が出てきてしまうので、これが臭みや腐敗の原因になります。
保存の前に水気をよくふき取ってから小分けにしてラップに包みましょう。
もしくは、調味料につけ込んでおくのも有効です。
また、一度加熱してからしっかり冷まして保存するのも手段のひとつ。
こちらは食べる前に再加熱を忘れずに。
いずれの方法でも、菌の繁殖しやすい場所になる水分をふき取って、早めに使い切るように心がけましょう!
夏は買い物から家に帰る時間も要注意!
あまり寄り道していると、買った冷蔵食品がすっかり常温になっていることもあります。
できればお肉やお魚はその日使う分だけを購入していただきたいところですが、なかなかそうもいきませんよね。
これらの食材を保存する時はぜひ参考にして下さいませ☆
Text by はむこ/食育インストラクター