春の訪れを感じるほろにが野菜「菜の花」を食べよう!

まだまだ寒い日が続いていますが、暦のうえではもう春です。
その春を感じさせてくれる野菜のひとつ、「菜の花」。
ほろ苦い味が特徴ですが、その苦味には嬉しい効果が隠されているのです!

【ビタミンCの含有量はトップクラス!?

菜の花は、ブロッコリーや白菜などと同じアブラナ科の野菜で、「菜花」とも呼ばれています。
ビタミンやミネラルを多く含み、なかでもビタミンCの含有量は、緑黄色野菜の中でもトップクラス!
ビタミンCはコラーゲンを作るのに欠かせない栄養素で、美肌やストレス解消・風邪予防などに働きます。

また、ほかにも粘膜を健康に保つβ-カロテン、貧血予防に効果的な鉄、歯や骨を丈夫にするカルシウムなども多く含まれています。
菜の花特有の苦みは、アリルイソチオシアネートという成分によるもの。
これは、がんの予防や血液をサラサラにして血栓予防にも効果が期待できます。

菜の花は苦みが強いので、基本的には下ゆでをして使います。
ただし、必要以上にゆでるのはNG。
豊富に含まれているビタミンCは水溶性で、ゆでると水に溶けだしてしまいます。
ゆでるのは短時間にし、水にとらずにザルなどに広げて冷ましたほうがよいでしょう。

【おいしい菜の花の見分け方

緑が鮮やかで濃く、つぼみがかたくしまっているものを選びましょう。
花が開いているものは育ちすぎて独特のえぐみが強くなっている可能性があります。
また、切り口がみずみずしく、変色していないものが新鮮です。
すぐに使わない場合には、かたく絞ったペーパータオルで包み、乾燥させないようビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。
かためにゆでて冷凍庫での保存も可能です。

【昔から愛されている「菜種油」

菜の花は、野菜としてだけでなく、アブラナ(菜種)の種子を圧搾した「菜種油」も料理に使われています。
菜種油は、鎌倉時代から精進料理に使われるなど、ごま油と同様に古くから愛されている油です。
さらに、古くから美容などにも活用され、皮膚の乾燥を防いでくれます。
酸化しにくく、扱いやすいのが特徴で、熱に強いので短時間の加熱調理にもおすすめです。

また、胃にとどまる時間が短く、胃もたれや胸やけを防ぐ効果があり、揚げ物にも適しています。
オレイン酸のほかにもビタミンKを含み、カルシウムの吸収を助け、骨粗しょう症予防にも期待できます。
ただし、健康によいからと言っても油なので食べ過ぎには注意しましょう。


【菜の花と豚肉のマヨポン炒め

お浸しや和え物のイメージが強い菜の花。
今回はかんたんに出来る炒め物をご紹介します。
冷めてもおいしいので、お弁当のおかずにもピッタリ♪
豚肉は鶏肉にかえてもおいしいですよ!

<材料(2人分)> 調理時間:20分
菜の花・・1束(200g)
豚こま切れ肉・・200g
しょうゆ・・小さじ1
酒・・小さじ2
片栗粉・・小さじ2
しめじ・・1パック

ポン酢しょうゆ・・大さじ1
マヨネーズ・・大さじ2

サラダ油・・大さじ1

<作り方>

  1. 菜の花は塩(分量外)を加えた熱湯でサッとゆで、ザルに広げて手早く冷ます。
    しっかりと冷めたら3等分に切る。
  2. 豚肉はビニール袋に入れ、しょうゆ・酒をもみ込み5~10分おく。
    片栗粉を加え、全体にしっかりとまぶす。
    しめじは根元を落として小房に分ける。
  3. フライパンにサラダ油を熱し、しめじを入れて中火で炒める。
    しんなりしてきたら豚肉を入れ、ほぐしながら火を通す。
  4. 菜の花を入れてサッと炒め、ポン酢・マヨネーズを加え、強火で炒め合わせる。
    ※ポン酢がない場合は、しょうゆでもOKです。
    そのときは、量を加減してください。

ほかにも、パスタやミルクスープなどもおすすめ。
定番の天ぷらもおいしいですよね。

1~3月の今がまさに旬の菜の花を食べ、もうすぐ訪れる春をひと足先に楽しんでみてはいかがですか?

Text by まち/食育インストラクター