夏の季語にもなっているほど、つめたく冷やした「麦茶」は暑い夏に欠かせない飲み物ですよね。
【冷たい麦茶が飲まれるようになったのはここ最近!?麦茶の歴史】
麦茶の原料となる「大麦」は、「きび」や「ひえ」などと同じく世界最古の穀物の1つと言われています。
縄文時代の終わりから弥生時代の初め頃に日本へ伝わったとされ、奈良時代には日本各地で広く栽培されるようになりました。
平安時代には「麦ごはん」も誕生し、大麦を殻付きのまま炒り熱湯を注いだ「麦湯」が貴族の間で好んで飲まれるようになりました。
江戸時代には麦湯店(現在の喫茶店の様なもの)が登場し、庶民にも大人気な飲み物に。
冷蔵庫の普及が始まった昭和30年頃になると冷たい麦茶が飲まれるようになり、昭和40年頃、今まで「麦湯」と呼ばれていたものが今と同じく「麦茶」と呼ばれるようになりました。
【大麦の種類と特徴】
大麦は、主にビールや焼酎の原材料となる「二条大麦」、一般的な麦茶の原材料である「六条大麦」に分けられます。
六条大麦で作る麦茶は、大麦に含まれるでんぷん質とたんぱく質が焙煎の段階でこうばしい香りに変化し、あのほど良い苦味が生まれます。
また、六条大麦茶と合わせてよく見かける「はと麦茶」ですが、原料は大麦ではなく、イネ科の1年草であるジュズダマの変種と言われている「はと麦」を炒って作られたものです。
こうばしい香りとすっきりとした味わいでこちらも人気があります。
【なぜ麦茶は暑い時期によく飲まれるの?】
暑い中、活発に動いている時はもちろん、涼しい部屋の中にいても私たちは汗をたくさんかいています。
汗をかいた体は水分だけでなく、同時にミネラルも失われて行きます。
ミネラルは体を作るのに欠かせない成分になったり、健康を維持するのに必要な栄養素です。
人間の体内で合成出来ないため、水分と一緒にミネラルも補給する必要があります。
そこでおすすめなのが麦茶です。
麦茶はミネラルを多く含み、カフェインやタンニン、カテキンなどの刺激の強い物質を含まないので、小さいお子さんから高齢の方、妊娠中でもお召し上がりいただけます。
また、麦茶のこうばしい香りは、血液をサラサラにしたり、リラックス効果があると言われています。
暑い日はキンキンに冷やした麦茶をついガブガブと飲みたくなりますが、冷たいものを一気に飲むのはお腹を冷やしたり、体調不良の原因になる可能性もあります。
こまめな水分補給を心掛け、暑い夏を乗り切りましょう!!
Text by まち/食育インストラクター