一年中、手ごろな値段で食べられる「もやし」。
お財布だけでなく、カラダにもやさしく、うれしい野菜のひとつでもあったのです!
【萌えいずる「もやし」】
日本では17世紀中ごろから九州や東北地方を中心に栽培され、古くは薬用として用いられていました。
食べられるようになったのは江戸時代に入ってからで、寺院の精進料理の材料として使われたようです。
もやしという名は、豆類などの種子を発芽させたものなので、「萌やし」(もやし)または「生やし」(おやし)という言葉からつきました。
【発芽のパワーで栄養満点に変身!】
もやしは発芽をすると、豆のときにはごく少量しか含まれていないビタミンCを多く生成します。
緑豆はでんぷん質、大豆はたんぱく質など、それぞれの豆の栄養を備えながら、発芽のチカラによって栄養価をアップさせるのです。
さらには、消化酵素のアミラーゼも生成されます。
このアミラーゼは、デンプンをブドウ糖などに分解する酵素で、消化を助けて胃腸をととのえる働きがあり、食欲不振を改善する効果もあります。
【抗酸化力アップの組み合わせ】
ビタミンCの抗酸化力を強化するには、ビタミンE、ビタミンAと食べ合わせるのがオススメです。
ビタミンEを多く含む代表的なものといえば、ゴマやアーモンドなどの種実類。
相乗効果により、お互いの作用を高め合います。
また、ビタミンAは、カボチャやニラなどの緑黄色野菜に多く、ビタミンCやビタミンEの働きを長持ちさせる効果があります。
調理の際は、加熱時間が短くてすむ炒め物や、みそ汁などスープの中に入れるのがオススメ。
味もよくなり、汁ごといただくことでビタミンCも逃さずとることができますよ。
【シャキシャキ感を残すには、ゆですぎNG】
歯ごたえをキープするだけでなく、ビタミンなど熱に弱い栄養素を守るためにも加熱時間は短めにしましょう。
また、ひとつまみの塩を入れると、たんぱく質の有効成分である必須アミノ酸の流出を防げます。
さらに、ゆでたあとで冷水にとってしまうと、水分が浸透して味も落ち、栄養も失われてしまいます。
早いかな?と思うくらいでとり出し、余熱で火を通すのがコツ!
【選ぶコツと保存のポイント】
茎が白くて太く、しっかりしていて透明感のあるものを選びましょう。
ひげ根が茶色く伸びているものは、鮮度がおちている証拠です。
丈は短めのほうが味はよく、栄養価にも優れています。
もやしは日持ちがしないので、早めに使い切るのが基本です。
2~3日以内には食べきりましょう。
料理のかさましで用いられることも多い「もやし」ですが、こんなに栄養価にすぐれた食品だったとは驚きですね!
効率よく食べ合わせて、日々健康に過ごしましょう。
Text by ナナちゃん/食育インストラクター