シャキシャキ!パリパリ!『水菜』の美味しい季節です

江戸時代の文献にも登場する、伝統的な京野菜の水菜。
近頃は、1年中市場に出回るようになりましたが、京都では「青果店の店先に水菜が並び始めると冬も本番」と言われるように、本来は寒さが厳しくなる頃が旬です。
今回はクセがなく、シャキシャキとした食感が楽しめる『水菜』のお話しです。

【サラダ野菜として人気が定着!】

水菜が全国的に有名になったきっかけは、マヨネーズの広告にサラダとして登場してからなのだとか…。
シャキシャキとした歯応えは生食にもぴったり!
近頃では、ヨーロッパでも「ミズナ」として人気です。

【水菜の栄養価】

●ビタミンC
免疫力を高め風邪予防に働くので、今の季節は積極的に摂りたいビタミンです。
その他、肌のハリを保つコラーゲンの合成をサポートしたり、シミやそばかす・くすみの原因であるメラニン色素を減らす働きがあり、美肌効果が期待出来ます。

●β-カロテン
皮膚や粘膜の健康を保ち、免疫力アップに働きます。
体内で必要な分だけビタミンAに変わり、皮膚や粘膜の健康維持、視力を正常に保つ働きがあります。
また、抗酸化作用もあり、体内の活性酸素を取り除いて老化を予防します。
その他にも、アブラナ科の野菜とあって、ミネラルの含有量が多いのが特徴の水菜。
高血圧を予防するカリウム、骨の生成に欠かせないカルシウム、貧血予防に働く鉄が多く含まれています。
また、更年期以降の骨粗鬆症予防に役立つリンやマグネシウムも多く、水菜は女性に嬉しい効果をもたらす野菜と言えます。


【調理のポイント】

●食感を活かすなら…
水菜の持ち味と言えば…やはりあのシャキシャキとした食感!
それを活かしつつ、サラダはもちろん、煮物や炒め物・鍋などで楽しみましょう。
シャキシャキ感を損なわないためには煮過ぎたり、漬けすぎたりしない事が大切!

●ビタミンCを効果的に摂るには…
冬の水菜は柔らかくシャキシャキしているので、生のままサラダとして食べるのがおすすめです。
ただし、切った水菜を水にさらすとビタミンCが流出してしまうので切る前にしっかり洗い、切ったら水にさらさず、そのまま食べましょう。
また、鉄の吸収を高める働きもあるので、鍋料理ではあさりや牡蠣などの鉄が豊富な貝類と食べ合わせると良いでしょう。
スープの中にビタミンCが溶け出しているので、スープもしっかり味わってくださいね。

●β-カロテンを効果的に摂るには…
油脂と一緒に摂る事で体内での吸収率がアップするため、お肉と一緒に食べたりオリーブオイルなどでサッと炒めると、シャキシャキとした食感を楽しみながらβ-カロテンを効率良く摂る事が出来ます。

元々は鍋や漬物に使われていましたが、特有の香りと辛みが肉や魚の臭みをカバーしてくれるので、最近では和食のみならず、イタリアンやエスニック料理などにも広く利用されています。
どんな料理にも合わせやすい水菜。ご家庭でも活用の幅を広げてみてくださいね。

 Text by ろい/食育インストラクター