甘い香りととろけるような果肉が魅力のメロンは、5月頃から夏が旬の果物です。
冷やしたメロンはのどを潤し、暑くなってくるこれからの季節にピッタリです。
【昔は甘くなかった!?メロンの歴史】
メロンの原産地は諸説ありますが、東アフリカや中近東地方であると考えられています。
そこから世界各地に広まり、紀元前2000年頃には古代エジプトやギリシャで栽培され、食用や薬として使われていた程、古くから食べられていた果物です。
その後ヨーロッパ方面に伝わったものが「メロン」、中国に伝わったものが「マクワウリ」とされています。
日本には2000年以上前に中国から伝わりましたが、当時は今のような甘いメロンではなく、ウリのような青臭さが強いものでした。
現在のような甘いメロンが伝わるのは明治時代。
そして、大正時代には温室栽培が取り入れられ、本格的にメロンの栽培が始まりました。
【メロンは野菜!?】
一般的には、田畑で作られる1年生または多年生の草本類を「野菜」、永年生の樹木に実がなるものは「果物」とされています。
この事からメロンは分類上では野菜に分けられます。
しかし、スーパーなどでは果物売り場に並べられていますよね?
これは消費される形態に合わせて分類されているからです。
この様に学問的には野菜とされているのに、果物として食べられているものを農林水産省では「果物的野菜」と分類しています。
メロンの他にも、すいかやいちごもこの仲間です。
【美味しいメロンを選ぶコツ】
メロンは色ムラが無く、左右が対称なもの、手に持った時にずっしりと重みがあるものを選びましょう。
網目がついているメロンの場合は、網目がくっきりとしていて細かく均一に入っているものが良品とされています。
メロンは追熟して食べる果物です。
購入した時にまだかたく、香りが弱いものは冷蔵庫には入れず、風通しの良いところで追熟させましょう。
下部を押したときに少し弾力が出てきたものが食べ頃です。
メロンは冷やしすぎると味や香りが落ちてしまうので、食べる2~3時間前に冷蔵庫で冷やしましょう。
【ワタまで食べよう!メロンの嬉しい効能とは?】
メロンの主成分は果糖やブドウ糖などの糖質で、体に吸収されやすいため、素早くエネルギーに変わります。
その他にも皮膚や骨の健康を維持するのに欠かせないビタミンCや余分なナトリウムを排出し、体内の水分バランスを整えてくれるカリウムなども多く含まれています。
このカリウムはすいかの約3倍とも言われており、これから暑くなるこの季節におすすめです。
また、赤肉メロンには体内でビタミンAに変わるβ-カロテンが豊富で、髪や肌、粘膜などを健康に保ちます。
そして、ついつい捨ててしまいがちなワタにも嬉しい効果が!
ワタの部分には「アデノシン」という成分が含まれ、血液をサラサラにしてくれます。
ヨーグルトや牛乳などたんぱく質が豊富な食材と組み合わせるとバランスよく栄養が摂れるので、生食はもちろん、ラッシーや凍らせてスムージーなどにするのもおすすめですよ!!
Text by まち/食育インストラクター