豚肉は明治30年代に「トンカツ」が大流行して以来、日本人に馴染み深い食材です。
今回は豚肉の代表的な4つの部位に焦点を当て、お話ししていきます。
【モモ】
- 切り口がなめらかで光沢がある
- 赤身は淡い紅色で、脂肪は白いもの
- キメが細かい
<おすすめの調理法>
モモは、尻に近い「外モモ」、肢の付け根に近い「内モモ」、その下側の「シンタマ」に大別されます。
加工肉材料としても多く利用されており、英語の「ハム」やフランス語の「ジャンボン」は“モモ肉”を意味します。
外モモはややキメが粗く硬めなので、薄切りでの使用や煮込みに向きます。
豚汁に使うとうま味が出て美味しく頂けます。
全体的に脂肪が少なく、肉質が柔らかな内モモやシンタマは、塊のままローストポークや焼豚、蒸し煮がおすすめです。
赤身が多いため、火を通しすぎるとパサついてかたくなりやすいので気をつけましょう。
【バラ】
- 淡いピンク色の赤身と純白がかった色の脂肪がバランス良く層になっている
- 光沢があり、よく締まっているもの
<おすすめの調理法>
ロースの下あたりに位置する腹側の部分で、赤身と脂肪が層になっているため「三枚肉」とも呼ばれます。
「蒸す」・「茹でる」といった下処理をすることで余分な脂が落ち、煮込み料理などは脂っぽさが抜け、柔らかな食感が楽しめます。
塊肉を使った角煮やシチューはもちろんですが、薄切り肉として炒め物や汁物に加えると、バラ特有の濃厚なうま味を堪能できます。
骨付きバラ肉(スペアリブ)はバーベキュー・焼肉がおすすめです。
【ヒレ】
- キメが細かくツヤがあり、ピンクがかった赤色のもの
- 塊肉は丸みがあり締まっているもの
- カットされたものは表面が張っているもの
<おすすめの調理法>
背骨の内側についている、左右1本ずつしかとれない棒状の部位です。
脂肪が少なく淡白なので、油を使った料理が適しています。
衣をつけるカツは、ヒレの柔らかさを損なわず、コクがプラスされます。
加熱しすぎるとパサつくので気をつけましょう。
ソテーにする際はベーコンや生ハムで巻いたり、バターを使った濃厚なソースを合わせると美味しく頂けます。
薄切り肉は天ぷらや網焼きにしても◎!
【ロース】
- モモに近い部分は、ピンクがかったキメの細かいもの
- 肩に近い部分は、肉にサシが入り淡紅色のもの
- 上面を覆う脂肪は均一な厚さで入り、白く締まりが良いもの
<おすすめの調理>
胸から腰の部分にかけての背中側の肉を指します。
柔らかい肉質と風味の良さは、他のどの部位よりも高く評価されています。
脂肪にうま味があるので、取り除き過ぎないようにしましょう。
赤身との間の筋を何か所か切っておくと、身が反り返らずに均一に火が入ります。
薄切り肉は生姜焼きなどの炒め物やしゃぶしゃぶに、厚切り肉はとんかつやソテーなどにするとロース本来のおいしさを味わえます。
塊肉はローストポークや焼き豚にすると良いでしょう。
豚肉は傷みが早いので、購入後は冷蔵庫のチルドルームで保存し、3日を目安に食べ切りましょう。
使い切れない場合は小分けにしてラップで平らに包み、保存袋に入れてしっかり空気を抜いて冷凍します。
使用する際は冷蔵庫でゆっくり解凍しましょう。
いかがでしたか?
ご購入の際は、是非参考にしてみてくださいね。
Text by ろい/食育インストラクター