食べ物の違いシリーズ、第4回めとなる今回は、「めかぶ」と「もずく」がお題です。
どちらも独特のぬめりがあり、酢の物やサラダに使われることの多い海藻です。
味噌汁に加えても磯の風味が立って美味しいですよね。
さて、用途も似通っているこの2種は、一体どんな違いがあるのでしょう?
【似ているけれども別の種類】
まず、めかぶの方から見てみましょう。
めかぶとは特定の種類の海藻なのではなく、ワカメの部位の1つを指します。
「かぶ」と付く通り、わかめの根本近くの部分がめかぶと呼ばれています。
生のまま売られていることが多く、塩蔵タイプ、乾燥タイプのワカメに比べて、ナトリウム(塩分)が少なく済むのが魅力的です。
対するもずくですが、こちらはモズク科に分類される海藻を総称した言葉です。
科という通り、いくつか種類が存在しているのですが、現在、一般的に流通しているもずくは沖縄県産のものが多数を占めるため、沖縄で生産される太もずく(沖縄もずくとも)のことを指していることが多いです。
栄養価はどちらも低エネルギー・低脂質で、ダイエットに向くのはもちろん、腸内の余分なコレステロールを吸着し、外に排出する作用のある水溶性食物繊維が豊富です。
さらに、海藻に含まれる水溶性食物繊維のフコイダンはぬめりのもとで、免疫細胞を活性化させる働きをしたり、がん予防に効果があるといわれています。
加熱にも強いため、使用用途も気にせず食べられる利点もあります。
栄養の面ではそこまで大きな違いは無いのですが、岩手・宮城といった東北地方の太平洋側で生産されることの多いめかぶに対し、ほとんどが沖縄で生産されているもずく。
水温の違いなど、環境の差によって親しまれてきた地域が違うということなのでしょう。
【その他のもずく】
多く流通しているもずくの大半は沖縄もずくですが、数は少ないながらもその他の県で生産されているもずくもあります。
沖縄もずくに比べて繊維が細く、ぬめりが強いのが特徴です。
絹もずく・細もずくなど名称は様々ですが、沖縄もずくに比べて細く、見た目も糸のようなのが特徴です。
流通量が少ないため内陸の都市部では高額になりやすいのが難点ですが、産地であれば各種料理店で普通に提供されていることもあるようです。
同じ海藻であり、用途も似ているこの2種類。
その時々の価格や、食感の差によって上手に使い分けてみて下さい。
Text by はむこ/食育インストラクター