目が張る魚と聞いて思い出すのは…
そう!「メバル」です。
煮つけなどでもお馴染の魚ですが、実は高級魚の仲間入りをしそうなんですよ。
【メバルってどんな魚】
メバルはカサゴ目フサカサゴ科の魚で、北海道から九州など日本各地の岩礁に生息しています。
メバルは主に3種類に分けられ、沿岸部によく生息している黒メバルや沖に生息しているウスメバル(赤メバル・沖メバルなど)そして白メバルと呼ばれるものです。
メバルは分類をひとくくりにされたり数種類に分けられたりと何回も物議を醸してきましたが、DNAを調べたところ違いが見つかり2008年に3種類に分ける事が発表されたそうです。
ですが、一般に流通する際はどれもメバルとだけ表示される事が多いです。
その他にも蝦夷メバルや柳の舞といった仲間も存在します。
釣りをする方からも人気の高い魚です。
ちなみに…メバルは「卵胎生」という方法で出産をしますが、これは母親の胎内で稚魚をふ化させてから外に出す繁殖方法です。
哺乳類以外の動物などは主に卵を産むのが一般的ですが魚類や貝類、爬虫類の一部でこうした方法をとるものがあり、この時産まれた子魚達は「仔魚(しぎょ)」と呼ばれます。
メバルは12月~1月位にこの仔魚を産みます。
卵胎生で子を産むので有名な魚としてはサメやエイなどがいます。(一部卵を産むものもいます。)
【名前の由来と旬】
メバルは漢字で書くと「目張」と書きます。
その名の通り目が大きくて張っているので目張です。
地方によっては「メガラ」や「ホゴ」、「ツヅノメバチ」などと呼ぶ場合もありますが、ほとんどメバルで通じます。
旬の時期はだいたい3月下旬~6月位です。
筍が採れる時期に旬を迎えることから、「タケノコメバル」や「春告げ魚」と呼ばれることもあります。
(春告げ魚に関してはメバル以外の魚もそのように呼ばれる事があります。)
【選ぶポイント】
メバルは体長が25cm位になるものもありますが、この位まで成長したものは脂が抜けてしまっている箇所があったりする事もあるため、20cm位までのものの方が美味しいとされています。
他の魚と同様に、目が澄んではっきりとしているもの、腹の部分がぶよぶよとしていないもの(ぶよぶよのものは鮮度が落ち、内臓が溶けてしまっている場合が多いです。)、皮や身にハリがあるものが新鮮です。
冬~早春にかけては脂がのりやすく春~夏にかけては身が締り淡白な味わいになります。
【食べ方】
新鮮であれば刺身でも美味しくいただけるメバルですが、身離れがよく適度に脂がのって身がやわらかな事から煮付けや塩焼きにするととても美味しい魚です。
その他の食べ方としては、唐揚げも美味しいです。
小さいものなら骨ごとカラッと揚げて食べることもできます。
煮付けや塩焼きなどを姿のまま調理する際は、腹から内臓を出すのではなく、割り箸を使ってエラなどと一緒に口から取り出す「壺抜き」という処理の方法を行うことも多いです。
この作業をすると盛り付けた時の豪快さが増し、インパクトのある料理になりますよ。
以前、壺抜きで内臓を処理する方法をやった事がありますが、鮮度の落ちたものはなかなか内臓が一緒に取れないため、苦労した経験があります。
壺抜きをやる際はぜひ新鮮なものを使って下さいね!
三枚卸しにする時は、うろこがびっちりと生えている魚なので、背ビレや腹ビレ、しっぽのきわ部分のうろこの取り忘れには注意です!
いざ卸そうという時に包丁が入らないなんて事もあります。
また、メバルのエラぶたの先端は鋭くとがっているので、下処理の際は刺さったりしないように気をつけながら作業しましょう。
背ビレや腹ビレも刺さると痛いですので、こちらも注意が必要です。
【大衆魚から高級魚へ】
一昔前までメバルは惣菜魚と呼ばれるくらい庶民の間で親しまれた魚でした。
一年中市場などには流通していますが、漁獲量が減っているためにだんだんと値が上がり、高級魚の仲間入りをするようになりました。
ちょっとお高くなりつつあるのでなかなか手が出せない魚になりつつありますが、煮ても焼いても、刺身でも美味しい今が旬のメバル!
一度是非ご賞味くださいね!!
Text by さゆり/食育インストラクター