「香りまつたけ、味しめじ」という言葉があるほど、その芳醇な香りが魅力のまつたけ。
ほかのきのこと比べると高価ではありますが、最近では輸入物も多く出回り、比較的手に入りやすいものになってきています。
トリュフ、ポルチーニと並んで、世界三大きのこのひとつともされる、今が旬のきのこの王様、「まつたけ」についてのお話しです。
【縄文時代から食べられていた?まつたけの歴史】
まつたけは縄文時代後期の遺跡からきのこの形をした土製品が発見されており、そのころから食用としていたのではないかと言われています。
また、日本最古の和歌集である「万葉集」にはまつたけのことを詠んだ歌が載っています。
そして、鎌倉時代になると、高貴な人々の間でまつたけ狩りが行われるなど「秋の風物詩」として定着して行きました。
一般の人に広まったのは、それ以降の江戸時代ごろと言われています。
日本では「秋の味覚」として大変重宝されていますが、海外ではにおいの好みが分かれるため、あまり食べられていないようで、ヨーロッパではポルチーニがきのこの王様と言われています。
【まつたけの見分け方とは?】
以前より安く手に入るものの、やっぱりほかのきのこのようには購入できないですよね。
せっかく買うと決めたからには、新鮮でおいしいまつたけを選びたいもの。
かんたんに新鮮なまつたけ(国産)を見分けられる3つのポイントを覚えておきましょう!
- かさが開ききっておらず、かさの裏が黒ずんでいないもの。
- 軸の太さが均一で弾力があり、乾燥しておらず湿っているもの。
- ずっしりと重みがあるもの。
輸入物の場合でも、中国産や韓国産のものは国産のものに似ているので同じようなポイントで選ぶとよいです。
アメリカ産やカナダ産は全体が白っぽく、かさが開いているものも出回っています。
まつたけは鮮度が落ちてしまうと風味が落ちてしまいます。
購入したら水気を拭き取り、新聞紙などに包んでビニール袋に入れて冷蔵庫で保存し、なるべく早く食べきるようにしましょう。
食感や香りは多少悪くなってしまいますが、食べやすいサイズにカットしてラップに包み冷凍保存することも可能です。
使う際には解凍せずにそのまま調理して下さい。
【まつたけの下ごしらえとおすすめの焼き方】
せっかく買った高価なまつたけ、おいしく味わうためには下ごしらえがとても大切です。
下ごしらえの方法と自宅でかんたんに出来るおすすめの焼き方をご紹介します。
<下ごしらえ>
- 土に埋まっていた石づきの部分はかたいので、まつたけを回しながら鉛筆を削るように包丁で切り落とす。
- ボウルに水をはり、かさから根元に向かい、手早く丁寧に土や汚れを落とす。
- 洗ったらすぐにペーパータオルで水気をしっかりと拭き取る。
下ごしらえが出来たら次は焼き始めましょう!!
まつたけと言えば、七輪で焼くイメージですが、七輪がお家にある人は少ないはず…。
そこで、今回はトースターを使ってまつたけを焼きます。
- 下ごしらえしたまつたけのかさに包丁で十字に切り込みを入れ、手でさく。
- ボウルに(1)を入れ、少量の酒を振り、軽く混ぜる。
- アルミホイルに(2)をのせ、包む。
- (3)をトースターに入れて焼く。
まつたけの本数によっても異なりますが、5分くらいしたら一度確認し、まつたけからじんわりと汁が出ていればOKです。
すだちを絞り、塩やしょうゆをかけて食べるのがおすすめです。
また、焼くときにバターを落としてもおいしいですよ。
【まつたけの効能】
まつたけ特有の香りは「マツタケオール」や「ケイ皮酸メチル」によるものです。
この香りには食欲増進や気持ちを落ち着かせる作用があると言われています。
さらに最近ではがん予防にも有効に働くということが分かってきています。
そのほか、エネルギー代謝をサポートするビタミンB2やナイアシン、紫外線によってビタミンDに変化し、カルシウムの吸着を助けるエルゴステロール、さらに腸の運動を促進し、便秘予防に効果的な食物繊維などが含まれています。
輸入物もおいしいですが、やはり香りは国産が格別!
素焼きはもちろん、天ぷらやまつたけご飯、土瓶蒸しなど、まつたけならではの芳醇な香りと味を楽しみましょう!!
Text by まち/食育インストラクター