ひとくちサイズの小さな焼き菓子、「マドレーヌ」と「フィナンシェ」。
どちらもリッチな味わいは変わりませんが、なにがどう違うのか、みなさんご存知ですか?
【主な違いは】
いずれもフランス発祥の焼き菓子である「マドレーヌ」と「フィナンシェ」の主な違いは材料です!
≪マドレーヌ≫
溶かしバター 全卵 薄力粉 砂糖 ベーキングパウダー
≪フィナンシェ≫
焦がしバター 卵白 薄力粉 アーモンドパウダー 砂糖
こうしてみると、「マドレーヌ」は溶かしたバターを使うのに対して、「フィナンシェ」は焦がしバターを使います。
さらに「マドレーヌ」は全卵を使い、「フィナンシェ」は卵白しか使いません。
それぞれの材料をみると味わいの違いや食感もみえてきますね。
「マドレーヌ」はレモンの皮や果汁を加えることもあり、さわやかな香りがします。
「フィナンシェ」は焦がしバターや、アーモンドパウダーを使うので、甘くてこうばしい香りが広がります。
そのほか、形状は一般的に「マドレーヌ」は貝殻の形、「フィナンシェ」が金塊の形であることが多いです。
【それぞれの生まれ】
≪マドレーヌ≫
日本では円形のマドレーヌもみられますが、本来は貝殻の形で横幅の広いホタテ貝の形をしたものです。
マドレーヌの生まれは諸説あり、どれもマドレーヌという女性の名から付けられたとされています。
≪フィナンシェ≫
フィナンシェは、フランス語で「お金持ち」「金融家」などの意味があります。
パリの証券取引所近くに店を構えていた菓子職人ラヌが、そこに通う人たちのために、手軽に食べられるようにと考案し、広まったといわれています。
【バターはどうして焦げるの?】
焦がしバターは、その色からフランス語で「ブール・ノワゼット」と呼ばれています。
ブール=バター、ノワゼット=ヘーゼルナッツのことです。
焦がしバターは、鍋にバターを入れて火にかけ、混ぜながら加熱し、茶色く焦がして作ります。
バターを加熱すると焦げるのは、バターに含まれるタンパク質やアミノ酸と還元糖(糖質)がアミノカルボニル(メイラード)反応によって起こります。
この反応は、お菓子やパンが焼けたときの、焼き色やこうばしい香り、またさらには玉ねぎを炒めると色づくのもそうです。
おいしさの陰には化学反応が隠れているのです(^^)/
今回はリッチな焼き菓子、「マドレーヌ」と「フィナンシェ」について、ご紹介させていただきました!
以前、お菓子屋さん巡りをしたとき、日持ちがして、お店の特徴も感じられるマドレーヌとフィナンシェを買って味わった経験があります☆
みなさんも味わいの違いを楽しんでみてはいかがでしょうか?
Text by ナナちゃん/食育インストラクター