とろける味わいが魅力!今が旬の「洋なし」について

独特なフォルムと、ジューシーでとろけるような味わいが魅力の「洋なし」
今回はその洋なしの種類や嬉しい効果をご紹介します。

【洋なしの栽培は難しい!?】

秋から冬にかけてが旬の洋なしは、代表的な「ラ フランス」や「ル レクチェ」をはじめ、現在、20種類ほどが日本で栽培されています。
その洋なしが日本に入ってきたのは明治時代初期のころと言われています。
しかし、洋なしは花から実になるまでに時間がかかり、天候や虫の影響も受けやすく見た目が悪かったり、栽培が難しいということからその当時は広まらず、昭和後半になって知られるようになってきました。
日本で栽培を開始したのは山形県で、現在も多くの洋なしが山形県で作られています。

【洋なしの種類とその特徴】

今回は、スーパーなどでよく見かける代表的な洋なし4種をご紹介します!

①ラ フランス
その名の通りフランスが原産で、日本で最も多く栽培されている洋なしです。
ゴツゴツとしていてずんぐりとした形が特徴で、果皮は黄緑色です。
果肉はとろけるようなやわらかさとやさしい酸味、そして何よりも上品な甘みがあります。
ラ フランスは熟してもそれほど見た目の色が変わりません。

②ル レクチェ
ル レクチェもフランスが原産の洋なしです。
ラ フランスよりも少し果実は大きく、果皮は熟すときれいな黄色になります。
果肉はなめらかでとてもみずみずしく、芳醇な香りと濃厚な甘みが特徴です。
フランスからはじめて導入した新潟県が主な産地です。

③バートレット
世界的に多く生産されているイギリス原産の洋なしです。
甘味と酸味のバランスがとれた味わいで、熟す前は実がかたく崩れにくいので、缶詰用にも利用されています。
収穫時期は他の洋なしと比べてとても早く、8月初旬に収穫され、9月上旬においしい時期をむかえます。

④オーロラ
オーロラは2つの洋なしを掛け合わせ、1960年代にアメリカで誕生しました。
果皮は熟すと黄色くなり、なめらかな果肉と強い甘味、豊かな香りが特徴です。
日本には1980年代に導入された、洋なしの中では比較的新しい品種です。
旬が短く、9月中に最もおいしい時期をむかえます。

「バートレット」、「オーロラ」は、もう旬を過ぎてしまいましたが、「ラ フランス」、「ル レクチェ」は11~12月とこれからおいしい時期をむかえます。


【おいしい洋なしを見分けるポイント】

購入した洋なしを食べたら、かたかった!という経験はありませんか?
それはまだ洋なしが熟していない証拠。
そこで食べごろを見極めるポイントをご紹介します。
種類によっても異なりますが、基本的に洋なしは皮が緑色から黄色になったもの、軸の回りをそっと触り、やわらかさを感じたものが食べごろです。
また、熟すとどんどん香りも強くなってきます。
購入した洋なしがかたい場合には、追熟が必要です。
紙袋に入れたり、新聞紙に包むなどをして15~20℃くらいの場所で保存し、熟したら冷蔵庫で2~3時間冷やしてから食べましょう
完熟した洋なしは日持ちしないので、早めに食べきるようにしてください。

【洋なしの嬉しい効果】

食物繊維と水分が多いなしですが、ラ フランスなどの西洋なしは、日本のなしに比べると不溶性食物繊維を多く含みます。
そのため、整腸作用が強く、大腸がん予防や美肌効果が期待できます。
また、のどの炎症を抑える効果があるソルビトールや疲労回復効果のあるアスパラギン酸、消化を助けるプロテアーゼなども含んでいます。

そのまま食べるだけではなく、サラダにしたり、パンにのせてトースターで加熱して食べたりとさまざまなアレンジが楽しめる洋なし。
旬のこの時期にぜひ、味わってみて下さいね。

Text by まち/食育インストラクター