中国料理やエスニック料理に欠かせない、暑くなるこれからが美味しい野菜です。
【呼び名と産地】
ほとんどの野菜は茎の中身が詰まっていますが、空心菜(くうしんさい)はその名の通り茎の中心部分がぽっかりと空いています。
呼び名は空心菜が一般的ですが、他にヨウサイ・エンサイ・アサガオ菜とも呼ばれています。
ヒルガオ科サツマイモ属の葉野菜でヒルガオやユウガオに似たかわいい花が咲きます。
熱帯アジアが原産とされ、東南アジアや中国南部で栽培されてきました。
高温多湿な気候を好む空心菜は沖縄でも盛んに育てられています。
【栄養豊富】
空心菜は女性にうれしい鉄分が豊富に含まれている野菜です。
野菜には主に非ヘム鉄と呼ばれる鉄が含まれていますが、この非ヘム鉄はビタミンCやたんぱく質などと一緒に摂ると吸収がアップします。
その他、カロテンやカルシウム・カリウム・ビタミンCも含まれています。
貧血予防はもちろん、夏バテ防止や疲労回復・骨粗鬆症予防にも一役買ってくれるおすすめの野菜です。
【選ぶ&保存のポイント】
購入する際は、茎の切り口が変色していないきれいなもの・全体的にみずみずしくハリがあるものを選びましょう。
乾燥しやすい野菜なのでペーパータオルを軽く湿らせたもので茎の切り口を覆い、さらに新聞紙などで包み、冷蔵庫の野菜室で保存すると鮮度を保ちやすくなります。
【調理法】
ポピュラーな調理法としては炒め物が挙げられます。
アジア料理の青菜炒めといえば空心菜を使ったものが多く、にんにくなどの香辛料を使い、少し濃い味付けにして強火で手早く調理すると素材の持つシャキシャキ感を楽しむ事が出来ます。
魚介類や肉などのたんぱく質を豊富に含む食材と一緒に調理することで、空心菜に含まれる鉄分を上手に摂取することができます。
炒め物の場合、油を使った調理になるのでカロテンも効率よく摂る事が出来ます。
炒め物が有名ですが、実は天ぷらや和え物・汁物にしても美味しくいただけます。
また、若くて柔らかいものは茎をサラダや薬味のように使うことも出来ます。
ベトナムなどでは人気の食べ方のひとつです。
【スプラウト】
ブロッコリーやカイワレ大根・マスタード・レッドキャベツなど様々な野菜のスプラウトが出回っていますね。
スプラウトは植物の新芽なので成長に必要な成分がたくさん詰まっており栄養価が高いことで注目を浴びています。
実は空心菜のスプラウトも販売されています。
見た目はアサガオの出始めのようなかわいい双葉です。
水菜のように鍋の具材としてサッと火を通していただいたり、お浸しにも向きます。
今回はそんな空心菜のスプラウトを使った簡単メニューをご紹介します。
☆空心菜スプラウトと人参の胡麻和え☆
○材料(1~2人前)
空心菜スプラウト・・1パック(正味90g)
人参(4cm長さ)・・30g
Aすりごま(白)・・大さじ1
A上白糖・・小さじ1
Aしょうゆ・・小さじ1/2~1
A水・・小さじ1
○作り方
- 空心菜は根元を切り落として長さを半分にする
人参はマッチ棒位の太さに切る - ①を塩熱湯(水500mlに塩小さじ1/2)で15~20秒程ゆでてザルにあげ、手早く冷ます
- ボウルにAを入れてよく混ぜ、しっかりと水気をふき取った②を加えて和える
○ポイント
- 葉の部分に発芽した際の豆が入っていることがあるので、水洗いして豆の部分を取り除きましょう。
- 作り方②ではゆでた後、冷水に取らずに冷ますことで、水っぽくなるのを防ぎます。
また、余熱で火が入ることを考慮し、短時間加熱にしています。 - お好みでゆでたささ身やイカなどを加えても美味しくいただけます。
- 今回の胡麻和えのタレは小松菜やほうれん草・もやしとも相性のよい甘めの味付けになっています。
お好みの野菜でもぜひお試しください。
あまり癖がなく様々な食材・調理法とも相性がいい空心菜はプランターで育てることが出来き、家庭菜園向きの野菜です。
種をまいて収穫し、調理するのも楽しいですね。
旬の空心菜をたくさん食べて、暑い夏を元気に乗り切りましょう!!!
Text by さゆり/食育インストラクター