原料は今が旬!?嬉しい効果が豊富の「こんにゃく」

原料は今が旬!?嬉しい効果が豊富のこんにゃく

低カロリーな食材としてダイエット食品にも使われる「こんにゃく」
地元である群馬はこんにゃくの名産地で、小さい頃におばあちゃんが自家製のこんにゃくを作ってくれていた事を思い出します。
加工食品なので通年出回っていますが、原料のこんにゃく芋は今の時期に収穫されています。

【こんにゃく芋とはどんなもの?】

こんにゃく芋は里芋の仲間で、原産はインドシナ半島と言われています。
じゃが芋と同様にタネイモから増やしますが、じゃが芋とは違い出荷できる大きさまでに成長するには約3年かかります。
こんにゃく芋は葉に傷がついただけでも病気になってしまうほどデリケートな植物で、今のように安定した栽培法が見つかるまでは長年の経験と運まかせの栽培であったため、「運玉」とも呼ばれていました。
現在では品種改良により、栽培しやすくなっているようです。

【こんにゃくはどのようにして作られるの?】

こんにゃく芋は、少しかじっただけでも口の中がピリピリするほどえぐみが強く、生はもちろん、他の芋のようにそのまま茹でたり、焼くだけでは食べられません。
そのため、ほとんどがこんにゃくに加工されています。
その強いえぐみを中和して取り除くために必要なのが、こんにゃくを固める働きもする消石灰(水酸化カルシウム)や炭酸ソーダ(炭酸ナトリウム)などの凝固剤です。
この凝固剤をこんにゃく芋と合わせて固め、1時間程煮てから十分に水にさらしてアクを抜くことで、私たちの食べているプリプリとした食感のこんにゃくに仕上がります。
こんにゃく芋を生のまま、または茹でたり蒸したりしたものから作られる「生芋こんにゃく」と、こんにゃく芋を乾燥させて粉にしたものから作る「精粉こんにゃく」があります。
ちなみに、精粉で作られたこんにゃくは元々白いものですが、黒いこんにゃくが好まれるので、粉末の海藻を加えて黒く仕上げているようです。


【こんにゃくの臭みが苦手‥。おすすめの下ごしらえ方法】

こんにゃく特有の臭みが苦手。
そんな方にぜひ試していただきたい下ごしらえの方法をご紹介します。

①塩を振る
水気を拭いたこんにゃくに塩を振って全体にもみ込むことで、臭みが軽減されます。
さらに、めん棒等で叩くことで、余分な水分が外へ出て水っぽさもなくなります。

②熱湯で茹でる
熱湯に入れて茹でることで、こんにゃくの臭みが抜け、また食感や味の含みもよくなります。
ただし、あまり茹ですぎるとかたくなってしまうので、こんにゃくを入れて再び沸いてから1〜2分程度にしましょう。

③乾煎りする
乾煎りすることで余分な水分が抜けて食感が良くなり、また味の含みもよくなります。
熱湯で茹でてからこの工程を行うことで、より臭みが軽減されます。

【こんにゃくの嬉しい効能】

こんにゃくはよくダイエット食材として用いられていますが、それは100gあたり7kcalと低エネルギーであること、そして満腹感が得られることが理由に挙げられます。
これは一番の特徴である豊富な食物繊維によるものです。
特にこんにゃくには、水溶性食物繊維である「グルコマンナン」が多く含まれています。
グルコマンナンは水を含むとゼリー状になって膨らむ性質があり、これにより満腹感が得られ、食べ過ぎ防止に働きます。
また、腸内環境を改善して便秘予防に、さらには、糖質などの消化・吸収を低下させる働きがあるため、糖尿病や脂質異常症の予防にも期待できます。
食物繊維の他にも、カルシウムやカリウムなども含まれています。

玉こんにゃくやしらたき、刺身こんにゃくなどその種類も豊富なこんにゃく。
最近では、こんにゃく米はもちろん、こんにゃく粉で作られたラーメンやうどんなどの麺類も登場しています。
「最近食べ過ぎかも…」という人は、ごはんにこんにゃく米を混ぜたり、パスタにしらたきを加えたりするのがおすすめ!
ボリュームや満足感はそのままで美味しく頂けますよ。
ぜひ、お試しください。

Text by まち/食育インストラクター