季節を問わず、通年売られている「こんにゃく」。
低カロリーで食物繊維が豊富、美容と健康に効果的なイメージもありますよね!
プリプリで独特な食感がおいしい「こんにゃく」について、ご紹介いたします!
【こんにゃくってそもそもなに?】
こんにゃくは「こんにゃく芋」というサトイモ科の植物の球茎から作られる加工食品です。
作り方は、こんにゃく芋をすりつぶしたもの、または、こんにゃく芋を乾燥させて粉状にしたもの(精粉)を水に溶かして、凝固剤として水酸化カルシウムなどを加え、袋や型に入れて熱をかけて固められています。
こんにゃくは芋からできているのです。
【一人前になるまで3年】
こんにゃく芋は、じゃが芋と同様にタネイモから増やしますが、じゃが芋と違って成長するのに3~5年かかります。
まず、春にタネイモを植えると新イモができ、そこから地下茎が伸び、秋には生子(きご)というこんにゃく芋の“赤ちゃん”ができます。
この生子を一度収穫し、次の春に再び植付けしたものを秋に収穫して貯蔵し、また春に植付けることを繰り返すことで、一人前のこんにゃく芋ができあがります。
こんにゃく芋はとても腐りやすかったため、精粉技術がなかった時代では、収穫できる秋限定の食べ物だったのです。
【こんにゃく芋はキケン?】
こんにゃく芋には、少しかじっただけでも口の中がピリピリするほどの強烈な「えぐ味」があります。
ほかの芋のように、ゆでたり焼いたりしただけでは食べられません。
このえぐ味は、シュウ酸カルシウムの結晶が微細で鋭い針状になっているため、それが皮膚に刺さり痛みを感じるとされています。
このえぐ味を中和させるために、当時は灰汁を使っており、現在は凝固剤としての役割をもつ炭酸カルシウムなどが使われて、安心安全でおいしいこんにゃくが作られています。
【こんにゃくの白と黒の違いは?】
こんにゃく芋の製粉の過程で、粉末は不純物が取られて白っぽくなるため、こんにゃくは、白く仕上がります。
生芋から作られる黒いこんにゃくを見慣れている地方では、白いこんにゃくがあまり好まれなかったため、似せるようにひじきなどの海藻粉末で色をつけるようになったのがはじまりです。
現在スーパーなどで売られている黒いこんにゃくは粉末からできており、海藻で黒くされたものが主流となっています。
【栄養とカロリー】
こんにゃくは約97%が水分で、カロリーはほとんどなく、グルコマンナンという食物繊維を含んでいます。
このグルコマンナンが消化器官を通過する際に、老廃物をお掃除してくれるので、整腸や便秘改善を期待できるというわけです。
その他にもコレステロール上昇の抑制や、血糖値正常化の働きがあるともいわれています。
しかし、カロリーがないから、体に良いからと「ばっかり食べ」には気をつけて、バランスのよい食事を心がけましょう(^^)
こんにゃくは平安時代に中国から日本に伝わり、今では日本の食卓に欠かせない食材となりました。
そのまま食べられないこんにゃく芋を食べられるようにした加工技術を編み出した昔の人に驚くとともに感謝の気持ちがわきました!
さまざまな製法、カタチのこんにゃくをみなさん楽しんでみてくださいね☆
Text by ナナちゃん/食育インストラクター