パンやスパゲティ、うどんなどの主食から、クッキーやケーキなどのお菓子にも使われる「小麦粉」。
私たちが普段使っている小麦粉には大きく分けて3つの種類があります。
皆さんはそれらの小麦粉を上手く使い分けられていますか?
【小麦とはどんなもの?】
小麦は今から約1万年前にはすでに栽培されていたと言われるほど古くからある食物で、人類最古の作物のひとつとも言われています。
日本でも弥生時代中期ごろにはすでに小麦の栽培が始まっており、その小麦を重湯のようにして食べていたそうです。
小麦の粒は、炭水化物やたんぱく質などが主成分で、小麦粉になる「胚乳」、ミネラルや繊維質が豊富な「表皮」、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミンなどが含まれる「胚芽」の3つに分類されます。
最近では「ふすま入り」と書かれた商品をよく見かけるようになりました。
この「ふすま」とは、製粉時に除かれる表皮部分のことで「小麦ブラン」とも呼ばれ、パンやシリアル、クッキーなどに使われています。
【「薄力粉」、「中力粉」、「強力粉」の違いとは?】
家庭用の小麦粉には大きく分けて「強力粉」「中力粉」「薄力粉」の3種類があります。
これらは小麦粉に含まれるたんぱく質(グルテン)の量と質によって分類され、グルテンの量が多く、強いものが強力粉、グルテンが少なく、弱いものが薄力粉になり、その2つの中間が中力粉です。
このグルテンは小麦独自のもので、小麦粉に水を加えて捏ねるとグルテンは弾力と粘着力を持ちます。
パンが膨らんだり、うどんなどの麺類がもちもちとした食感になるのは、このグルテンの力によるものです。
【小麦粉を上手に使い分けよう】
強力粉は弾力を与えるのでパンやピザ、餃子の皮などに、中力粉はうどん、薄力粉はグルテンが少なくさっくりと仕上がるので、ケーキなどのお菓子や天ぷらなどによく使われます。
このほかにも小麦の表皮や胚芽も一緒に挽いて作られた「全粒粉」や、グルテン含有量の多いデュラム小麦を粗挽きにした、パスタやマカロニなどによく使われる「デュラムセモリナ」などもあります。
【オーブン不要!強力粉を使ってパンを作ってみよう!!】
<材料> 調理時間:45分(発酵時間を除く)
A
├牛乳・・100g~
└コーン缶の汁・・50g
バター・・30g
B
├強力粉・・150g
├ホットケーキミックス・・100g
├ドライイースト・・3g
├砂糖・・20g
└塩・・5g
コーン・・100g
<作り方>
- Aの牛乳とコーン缶の汁は合わせて鍋に入れ、人肌程度に温めておく。
バターは常温でやわらかくしておく。 - ボウルにBを入れて軽く混ぜ、温めたAを加え、ゴムベラなどで水分を吸わせるように混ぜる。
- 粉っぽさが無くなったらバターを加え、表面がなめらかになるまでよく捏ねる。
- (3)にコーンを加え、全体に混ぜ込む。
生地のつなぎ目を下にしてフライパンに入れ、フタをして5~10秒ほど弱火にかけて火を止め、30分くらいおく。
- 生地が2~3倍になったら軽く押さえてガスを抜き、生地を8~10等分にして丸める。
- 生地のつなぎ目を下にしてフライパンに並べ、蓋をして10分おく。
- フライパンをごく弱火にかけ、15~20分ほど焼く。
時間になったらフタをはずして裏返し、弱火で5分ほど焼いて焼き色をつける。
コーンを入れなくてももちろんOKです。
その場合は、コーンの汁を牛乳に置き換えて作ってください。
朝食やおやつにおすすめですよ。
【小麦粉を上手に保存しよう】
小麦粉は1袋に入っている量も多く、なかなか一度では使い切らない食品ですよね。
まだ半分も使っていないのに、かびやダマが出来てしまったということはありませんか?
それは、湿気が原因かもしれません。
保存するときについつい流しの下やコンロの近くなどすぐに使える場所に置きたくなりますが、これでは湿気がこもり、かびや虫の原因になってしまいます。
使い終わったらしっかりと口を閉じ、乾燥した涼しい場所で保管しましょう。
また、使う量よりも多く小麦粉を出してしまい、また袋に戻すということはありませんか?
これも食材などの水分を小麦粉が吸ってかびなどの原因に。
そのとき必要な量を取り出すことを心掛け、一度使った小麦粉は袋に戻さないようにしましょう。
ちなみに、私の小麦粉の保存場所は冷凍庫です。
湿気が少なくおすすめですが、ただ、外気との温度差で水がついてしまう可能性や庫内のにおいがついてしまうこともあるので注意が必要です。
強力粉、中力粉、薄力粉を上手に使い分け、さまざまな小麦料理を楽しんでみてはいかがですか?
Text by まち/食育インストラクター