♪むかしむかし浦島は…鯛やひらめの舞い踊り~♪と、童謡ではヒラメを登場させて豪勢な様子を表したほどで、昔からヒラメは高級魚として扱われてきました。
一方でカレイは庶民の味方。
でもそれも今となっては昔のことで、カレイも高級魚と呼ばれるようになってきました。
【年中美味しいカレイのラインアップ】
カレイは世界中で100種類以上存在し、右側に目があるものだけでなく、中には左側にあるカレイもいますし、2mほどの大きさになるカレイもいます。
さらに日本の地名が付いたカレイがいるのはご存知ですか?
かつては東京湾でよく獲れていたマコガレイという種に学術名『yokohamae』と横浜の名称がつけられています。
今は、環境の変化で東京湾では激減していますが、大分県ではブランド化されているなど人気のあるカレイの一つです。
ではカレイの旬はいつかというと、冬の「子持ちガレイの煮つけ」を想像された方も多いのではないでしょうか。
でも実は、魚種によっても違いますし、身が美味しい季節なのか子持ちが美味しい季節なのかという違いでも美味しい時期は異なります。
店頭で見かけた時がその魚種の美味しい季節なので、それぞれに合った食べ方をしていきましょう。
【モドキと呼ばないで!】
古来、ヒラメが珍重されてきたため、それに似たカレイを使った食品偽装事件が1960年代にあったそうです。
脂がのった『えんがわ』は今でも人気で、ついついヒラメがいいと思いがちですが、回転寿司店でよく見ると「えんがわ」と表記されている中にカレイと表記されて提供しているところもあります。
でも、カレイでもヒラメでも、どちらも背びれや尾びれの、よく動かす筋肉の部分なので、きちんと理解して違いを楽しむくらいの余裕を持って美味しくいただけば良いのではないでしょうか。
ちなみに、南北に長い日本なので産地によって多少違いますが、夏から秋にむけて旬を迎えるイシガレイや、夏と秋から冬が旬のマコガレイ、幻とよばれるマツカワガレイなどは、ヒラメに引けを取らない美味しさだと評価されていますし、近年では漁獲量が減ったこともあり、活きた魚は超がつくほどの高級魚とされています。
【では栄養は?】
白身は高たんぱく、低脂肪のヘルシー魚です。
たんぱく質にはうま味成分のアミノ酸がバランスよく含まれているため、甘味やうま味などの味わいが良いと感じます。
また、ビタミンB1やビタミンB2といった糖質や脂質の代謝に欠かせない成分も含まれているため、白飯と一緒に食べるのは理にかなった食べ方だと言えるでしょう。
クセも少ないので老若男女、体調がよくない時にもおすすめの食材です。
なお、えんがわは美肌に欠かせないコラーゲンが豊富に含まれていますので、寿司店へ行ったときに積極的に食べたいですね。
レモンなど、コラーゲンをつくるのに欠かせないビタミンCを含む食材と一緒にとると、より効果的です。
最近は輸入ものの冷凍カレイも見かけるようになり、庶民の味方の魚種もいます。
知れば華麗なる世界中のカレイを、ぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。
Text by ゆず/食育インストラクター