甘辛い味付けで柔らかく煮て、巻き寿司やちらし寿司などに使われる事の多い「かんぴょう」。
おでんの巾着やロールキャベツなどでは、“紐”としても活用されていますね。
しかし、実際どんな物なのかよく知らない…という方も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな「かんぴょう」のルーツや栄養価について、お話ししていきます。
【かんぴょうって何?】
かんぴょうの原材料であるユウガオは、アフリカ・アジアが原産のウリ科の植物です。
かんぴょうは、そのユウガオの果肉部分を細長く削り、乾燥させたもの。
現在、全国生産率の約98%を占めるのは栃木県!
滋味豊かで、穏やかな味わいなのが特徴です。
精進料理では水に浸したり煮出してかんぴょう出汁をとり、干ししいたけ出汁と合わせて使われる事もあります。
栄養素としては、便秘や大腸ガンの予防に役立つ食物繊維を始め、むくみや高血圧に効果的なカリウムや歯や骨の健康維持に欠かせないカルシウムなどが豊富に含まれています。
【かんぴょうのルーツ】
ユウガオの日本への伝来は、
- かつて神功皇后が朝鮮から戻る船中で出産した際、ユウガオの種が付着した産着を木津(現在の大阪市浪速区敷津)の地に埋め、翌年には新芽が出た
- 16世紀頃に中国に渡った僧侶がユウガオの種を持ち帰って来たことで伝わった
などと諸説あります。
その後、関西から栃木県壬生町に伝わったのは、今から約300年前。
当時の壬生城主が壬生領の耕地が広いにも関わらず、産物が少なく貧しい農民が多いのを憂い、関西からユウガオの種を取り寄せました。
ユウガオは根が浅く、横に広がって伸びる性質があり、排水の良い軽い土を好みます。
栃木県は保水性が高く水はけも良い土壌(関東ローム層)に覆われており、ユウガオの発育には最適でした。
また、栃木県の夏の風物詩とも言える“雷雨”が、地表を冷まして暑さに弱いユウガオの根の伸長を促し、実を太らせる恵みの雨となってくれるのです!
かんぴょうは、料理によって趣を変える食材です。
サラダにしたり、揚げたりしても美味しく頂けます!
栃木県干瓢商業協同組合のホームページには、沢山のかんぴょうレシピが掲載されています。
とてもユニークでバラエティに富んでいるので、ご興味のある方は是非ご覧になってみてはいかがでしょうか?
Text by ろい/食育インストラクター