缶詰のお話②~缶詰の表示・栄養~

パカッと開ければすぐ食べられ、保存もきく一石二鳥の優れもの「缶詰」。
2回シリーズでお届けする缶詰のお話、2回目は缶詰の「表示」や「栄養」・「簡単レシピ」をご紹介します。

【缶詰についている記号はどんな意味があるの?

缶詰の底部分に記載されている記号は基本的に以下の図1のような3つで構成されています。

①品名記号
左から1・2文字目(T G)は原材料を示し、3文字目(K)が調理法、4文字目(A)が形状や大きさを表しています。

②賞味期限
左から1・2文字目は西暦の下2ケタの数字(19)、3・4文字目は月(01)5・6文字目は日(02)を表しています。

③製造された工場の種別記号
消費者庁へ届け出た際に取得した記号が記載されています。

※今回使用している英数字はあくまで参考です。缶詰の種類によって英数字は変わります。
※賞味期限は年/月までの記載が義務付けられているので、日は記載がない場合もあります。

普段私たちが購入する際に関係するのは②の賞味期限くらいでしょうか。
①・③は製造に携わる方々が識別するのに必要な記号なので、消費者側は見ても分からない場合が多いですね。
またこの缶マークは日本独自のものですので、輸入物の表示は各国で異なります

【缶詰の栄養

缶詰は長く保存するのだから、「栄養はほとんどない」・「もとの栄養と変わっている」と思われる方も多いかと思います。
しかし、実際はもとの状態とほとんど変わらないものが多いのです。
食べ物が腐敗や劣化するのは、空気中の酸素が深く関わっていますが、缶詰は新鮮な食材を空気に触れないように高温加熱殺菌し真空状態にして密閉します。
そのため、衛生的で栄養成分もほとんど損なわれずに保存することが出来ます。
例えば、みかんの缶詰の場合、生のみかんに含まれるビタミンCを100%とすると、缶詰の状態では80%近くビタミンCが保持されています。
また、魚の缶詰の場合は、骨ごと圧力をかけて缶詰にするので、骨も食べられるやわらかさになります。
このため生魚よりもはるかに多くのカルシウムを補給する事が出来ます
また、サバなどに含まれるDHA・EPAも汁ごと真空保存されてしっかりと残っているので、効率よく摂ることが出来ます。

【缶詰の保存で気をつけること】

基本的に加熱殺菌済みで安全性の高い食品ですが、保存時は以下のことに気をつけて下さい。

  • 直射日光が当たったり、温度変化の激しい場所は避ける
  • さびることがあるので、水がつきやすい場所などは避ける
  • 汁漏れや缶が膨張しているものは中で腐敗している場合もあるので、食べない

【開缶後の保存】

開缶後は、ほかの食品と同様空気にさらされるため、時間が経てば腐敗しますので、早めに食べ切りましょう。
また、缶に入れたまま保存すると、食品によっては金属が溶けだしてしまうこともあるので、必ず清潔な別容器に移してください。


【作ってみよう!】

今回はおつまみとしても大人気の「やきとり」と「サバの水煮」の缶詰を使った簡単レシピをご紹介します。

【とり飯おにぎり】

熱々のご飯に混ぜるだけのお手軽メニュー。
お好みで山椒をふったり、焼きおにぎりにしてもおいしいです。

<材料(1人分)>
やきとり缶(タレ味)・・1缶(内容量75g)
しょうゆ・・小さじ1/2~1
ごはん・・200g(※冷たい場合は電子レンジなどで温める)

<作り方>
やきとり缶を開け、しょうゆを加えて和え、熱々のごはんと混ぜ、にぎる

手軽に作れるので、朝ごはんや夜食、小腹が空いたときなどにいかがでしょうか。
みそ汁などをプラスしてあげればお腹も大満足です!

【さばサンド】

パンに焼いたサバとレタスなどをはさみ、たっぷりのレモンを絞っていただく、トルコ名物「さばサンド」。
今回はサバの水煮缶で作ります。

<材料(1人分)>
サバの水煮缶・・1缶
小麦粉・・適量
オリーブオイル・・適量
お好みのパン・・適量
お好みの野菜・・適量
レモン・・1/2個

<作り方>

  1. サバ缶の身を崩さないように取り出して水気をふき、小麦粉をまぶし、油を熱したフライパンでこんがり焼く
  2. お好みの野菜は適宜切って準備し、レモンは半分に切る
  3. パンに切り込みを入れ、(1)・(2)の野菜をはさむ

レモンをたっぷりかけていただきます!
サバ缶の塩分が弱い場合は、こうばしく焼いた後に塩をふって下さい。

缶詰レシピはさまざまな調理法がたくさん出ていますので、お好みの一品をぜひ作ってみて下さい!!

Text by さゆり/食育インストラクター