アサイーやチアシード、ココナッツオイルなど、体によい食品としてテレビや雑誌でよく取り上げられている「スーパーフード」。
実は私たちがよく知っているおなじみの食品もスーパーフードとされているのをご存知ですか?
【そもそもスーパーフードとはどんなもの?】
約30年前にアメリカやカナダで生まれたスーパーフード。
しかし、はっきりとした定義はなく、書籍や提唱者によっても異なる食品が挙げられることがありますが、日本スーパーフード協会では、下記をスーパーフードの基準としています。
- 栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品であること。
あるいは、ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品であること。 - 一般的な食品とサプリメントの中間にくるような存在で、料理の食材としての用途と健康食品としての用途をあわせもつ。
【日本のスーパーフード5つ】
私たちの食生活に欠かせない食品の中にも、スーパーフードとされているものがあります。
今回は、その中から特に身近にある5つの食品をご紹介します。
①納豆
納豆は主原料である大豆に納豆菌を加え、発酵させて作られています。
大豆には、たんぱく質やイソフラボン、マグネシウムやカリウムなどのミネラル、そしてビタミン類が豊富に含まれています。
なかでもビタミンKは骨とカルシウムをつなぐ働きをもち、骨粗しょう症予防に期待できます。
発酵過程で納豆菌がたんぱく質を分解しながら生育し、粘り成分を作ります。
そのねばねばには、「ナットウキナーゼ」という酵素が含まれ、血栓を溶かし、脳梗塞や心筋梗塞の予防に役立ちます。
また、納豆にはビタミンB2が大豆の約2倍近く含まれています。
ビタミンB2は脂肪の代謝に欠かせないビタミンで、肥満防止や動脈硬化の予防、疲労回復にも効果が期待できます。
②味噌
味噌は大豆に米や麦、豆などの麹を加え、発酵・熟成させたものです。
その原料の違いから「米味噌」、「麦味噌」、「豆味噌」、そしてこれらの味噌を混合した「調合味噌(合わせみそ)」の大きく4つに分けられます。
味噌は「畑の肉」と呼ばれる大豆が主原料で、良質の植物性たんぱく質を豊富に含んでいます。
さらに、記憶力アップやコレステロール値を下げる働きがある大豆レシチンや、抗酸化作用をもつ大豆サポニンも含まれます。
また、発酵の過程でアミノ酸やビタミンが多量に生成され、さらに栄養価が高まります。
そして、味噌が熟成する過程で増える褐色色素のメラノイジンには、糖の消化吸収速度をゆるやかにし、食後の血糖値上昇を抑える効果が期待できます。
③梅干し
日本最古の医学書「医心方(いしんほう)」の中に効用が取り上げられている梅干し。
古くから私たちの食卓に欠かせない食品で、江戸時代には一般家庭の食卓に並ぶようになりました。
梅には酸味のもとになっているクエン酸やリンゴ酸、酒石酸が含まれ、疲労回復や肩こりに効果的です。
また、クエン酸には細菌の繁殖を抑える効果もあり、特有の香り成分ベンズアルデヒドには防腐効果があります。
このため、梅干しは腐りにくく長期保存が可能になっています。
④甘酒
今では寒い時期に飲むことが多い甘酒ですが、江戸時代では夏バテ防止や疲労回復に効く飲み物として夏によく飲まれていました。
甘酒は「米麹を原料とするもの」と「酒粕を原料とするもの」の2つありますが、スーパーフードとしては前者が良いと言われています。
米と米麹を発酵させて作られる甘酒には、ブドウ糖が多く含まれています。
その他にもビタミンB1、B2、B6、葉酸、食物繊維、オリゴ糖やアルギニン、グルタミンなどのアミノ酸が含まれています。
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変え、疲労回復に役立ちます。
ビタミンB2は肥満防止や動脈硬化予防、美肌作りに効果的です。
病院で栄養補給に使われる点滴とほぼ同じ成分をもつことから「飲む点滴」とも呼ばれています。
⑤緑茶
奈良時代に遣唐使によって中国から伝わったとされる緑茶は、昔は薬として飲まれていたと言われています。
主成分である「カテキン」は体内の活性酵素を抑制したり、悪玉コレステロールや体脂肪を減らす働きがあるので、生活習慣病予防に期待できます。
また、苦み成分の「カフェイン」は、眠気冷ましや疲労回復に効果があります。
うま味成分をもたらし、一息つきたい時に心身を落ち着かせてくれるテアニンなどのアミノ酸や、健康維持に欠かせないビタミン、ミネラルも豊富に含まれています。
ただし、緑茶の成分はお湯に約20~30%しか溶けださないため、葉のやわらかいものは茶がらをお浸しなどにして食べると、より栄養成分を摂ることが出来ます。
今では、海外から様々な食品やお店が日本に入ってきていますが、それだけではなく、改めて日本食に関心を持って、普段の生活に上手にとり入れてみるのも良いですね!!
Text by まち/食育インストラクター