最近では世界中でもブームになりつつある「日本酒」。
その人気に海外でも日本酒の製造がはじまり、フランス・シャンパーニュ地方で製造されたスパークリングワインを“シャンパン”と呼ぶように、日本酒も日本で作られたものだけを“日本酒”とするブランド化が進められています。
世界も注目する日本酒は、ひと口に日本酒といってもいろいろと種類があることをご存知ですか?
今回は、日本酒の種類についてご紹介します☆
【日本酒の定義】
日本酒は使用できる原料が決められており、必ず米を使うこと、そして「こす」という工程を必ず入れなければならないことが特徴で、酒税法第3条第7号に規定されています。
この定義に沿って作られた日本酒は、醸造酒や純米酒、吟醸酒など8種類にも分類されています。
【純米酒とは?】
日本酒は“純米”と付くものとそうでないものに分けることができます。
日本酒の原料は、お米と米こうじです。
この2つの材料から作られるものを“純米酒”と呼ぶことができ純米酒、特別純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒があります。
それ以外の日本酒には、お米と麹の他に醸造アルコールという日本酒以外のアルコールが混じったお酒があります。
これらのお酒には“純米”と付かない、本醸造酒、特別本醸造酒、吟醸酒、大吟醸酒、があります。
【精米歩合で変わるお酒の質】
精米歩合とは、お米一粒をどれだけ削ったかという割合です。
私たちが普段食べている精白米の精白歩合は、90%で玄米の状態から約10%を削っていることになります。
日本酒を作る場合、主食となるお米とは異なり、酒造好適米という酒造りに適したお米を使っています。
これらのお米は、心白(しんぱく)というお米の芯の部分が通常の食米よりも大きいことが特徴です。
お酒造りには、心白が重要で心白以外の部分は雑味になるため、削ることで雑味のないすっきりとしたお酒を造ることができます。
日本酒は、このお米を精米歩合70%以下で使うものを本醸造酒といい、60%以下で吟醸酒、50%以下で大吟醸酒と分類することができます。
【冷やして飲むなら吟醸酒】
日本酒の飲み方には、冷酒や熱燗があります。
吟醸酒は、お米を60%以下に精米して使用し低温でじっくり発酵させるなど、特別に吟味して造ったお酒で、果物を思わせる香りやすっきりした飲み口、のど越しのなめらかさが特徴であるため、そのまま飲んだ方が美味しいと言われています。
また、日本酒にはお燗にすることでうま味が増すものがあり、このようなお酒のことを“燗上がり”や“燗映えする”といいます。
一般的に、純米酒系、本醸造酒系などがお燗には良いとされています。
日本酒の種類は、お米の精製度や製法で異なり、大きな分類でも好みが分かれます。
また、日本酒の酒蔵は約1500もあり、例えば純米酒に限ったところでも酒蔵のひとつひとつで特徴があるので、そこでも好みが分かれるでしょう。
吟醸酒は冷酒でと書きましたが、こちらも好みがあるので、吟醸酒をお燗にかけることは間違いではないそうです。
あくまでお酒は嗜好品。
自分が好きな日本酒を見つけると日本酒を深く楽しむことができそうですね。
Text by ざわちゃん/食育インストラクター