島国である日本は、世界でもトップクラスの魚の消費国!
そんな日本の食卓を古くから支えてきた大衆魚の一種である「いわし」が、今回のテーマです。
一時期は日本の総漁獲量のうち3割がいわしだったと言われています(四方を海に囲まれ、日々多くの種類の魚が獲れる日本で、です)が、最近は漁獲量の減少、価格の高騰で、大衆魚とはとても言えない状態になっています。
【いわし減少の真相は…?】
今から30年ほど前に、いわしの漁獲量はピークを迎えました(440万tほど)。
が、それから10年も経たないうちに、ピーク時の半数…どころか、1/4にも満たない漁獲量になっています。
日本人の魚離れが進んでいるから漁獲量自体が減っている、海産物の乱獲が進んでいると言われる現代ではありますが、たった数年で数百万tも漁獲量が変動する原因としてはちょっと疑問が残ります。
現在有力視されているのは気候による環境の変化によって、生息数に周期的な変動が起きているのではないかとする説で、調査が進んでいるようです。
獲れる時は獲れ、獲れない時は獲れない。
そんないわしですが、近年は少し漁獲量も上昇傾向にあるようです。
また、いわしの豊漁を目にする機会がやって来る…かも!?
【鮮度が命】
弱い魚と書いて鰯。
いったいなぜこんな字になってしまったのでしょう?
それは、いわしが非常に傷みやすい魚だったからという説が一般的です。
陸揚げしたその瞬間からどんどん鮮度が落ちていってしまうのです。
また、昔の上流階級の人達はあまり食べず「いわし→いやしい魚」と呼んでいたともいわれています。
いわしを美味しく食べるには陸揚げ後すぐのものを使わなければならないので、冷蔵技術や運送時間の短くなった現代ならまだしも、昔の内陸地では港からお屋敷に運んでいるうちに傷んでしまっていても不思議ではありません。
いずれにしても、鮮度の良い状態のものが一番おいしい魚です。
いわしは魚を卸すことが出来ない方でも、手開きで簡単に処理できるのも魅力です。
内臓さえ処理してしまえば日持ちするので(もちろん冷蔵は必須ですよ!)、目が澄んで丸々太ったいわしを見かけたその時が購入のチャンスですよ。
Text by はむこ/食育インストラクター