はち(8)みつ(3)の語呂合わせから、日本養蜂はちみつ協会と全日本はちみつ協同組合が8月3日を“はちみつの日”としました。
古来よりはちみつは人類と関わってきた甘味料です。
日本では平安時代に宮中への献上品に使われるほど貴重品とされていました。
また、過去には食べ物としてだけではなく、傷の治療や薬としても役立ってきたという歴史もあります。
はちみつに含まれている豊富な成分は、健康や美容に効果があるとされ、注目を集めています。
【砂糖よりも低カロリー】
はちみつが100gあたり294kcalなのに対して白砂糖は100gで384kcalです。
白砂糖と比べるとはちみつは約2/3のエネルギーで、甘味度は、はちみつの方が1.3倍甘いとされています。
また、天然甘味料であるはちみつには20種類ものアミノ酸や数多くのミネラルなどが含まれているので、コクのある甘味となります。
料理やお菓子などに使うと砂糖と違った風味が生まれるので、いつもの料理がひと味違った仕上がりになりますよ。
【はちみつの種類】
世界で生産されるはちみつにはたくさんの種類があり、クリ、クローバー、コーヒー、そば、タイム、マヌカ、ラベンダー、ローズマリーなどが上げられます。
日本では一般的にアカシア、トチ、サクラ、ミカン、リンゴ、レンゲ、百花蜜などがあります。
色の薄いアカシアは淡白な味で食べやすく、結晶しにくいという特徴があるため料理にも使いやすく、人気のあるはちみつの一つです。
トチや百花蜜などの色の濃いものは、少しクセがあるので好みが分かれますが、料理に使うよりそのまま食べたり、ヨーグルトなどに合わせて使われるとよいでしょう。
【赤ちゃんには与えない】
はちみつは基本的に加熱等の処理をしていない自然そのままの食品です。
はちみつには「ボツリヌス菌」が含まれている場合があるため、日本では「1歳未満の乳児には与えてはならない」と1987年に厚生省が発表し、商品には「1歳未満の乳児には与えないようにしてください」との注意書きが表記されています。
ボツリヌス菌はブドウ球菌とともに毒素型の食中毒菌の代表で、1歳以上になれば体内で繁殖することはないので安全ですが、乳児は腸内細菌が少ないためボツリヌス菌が増殖し、乳児ボツリヌス症になってしまうことがあります。
乳児の口に入らないように気をつけましょう。
【純正はちみつを選ぼう】
一言にはちみつといっても一切の加工処理を行わない天然そのままのはちみつである純正はちみつ、水あめやブドウ糖などが加えられた加糖はちみつ、はちみつを脱色脱香した精製はちみつがあります。
加糖はちみつや精製はちみつなどの加工品は安価ではありますが、純正はちみつのような栄養成分や効能は期待できません。
純正はちみつは、現在でも生産量が多いわけではないのでお値段は張りますが、そのおいしさに敵う加工品はありません。
8月3日は“はちみつの日”ですが、3月8日は“みつばちの日”でもあります。
はちみつには季節によって出回る品種が限られているものがあるので、いろいろと試して好みを見つけてみるのも良いかもしれませんね。
Text by ざわちゃん/食育インストラクター