あなたはいくつ知っている?「春告げ魚」とは!

あなたはいくつ知っている?「春告げ魚」とは!

日本列島各地には「春告げ魚」と呼ばれる魚がいるのをご存知ですか?
春先によく獲れることから、このように呼ばれています。
今回は地域別に「春告げ魚」を紹介致します。

【関東・東海】

●メバル
春の船釣りがメバルから始まることから「春告げ魚」とされています。
目が大きく、張り出していることから“メバル”と呼ばれ、生息する環境によって赤・黒・白と体色が変化します。
身離れが良く、頭から出汁が出て美味しく仕上がるため、煮付けにする際は丸ごと煮るのがおすすめです。

【瀬戸内海】

●サワラ
古来、日本では冠婚葬祭に使ってきた魚で、煮物や焼き物など、懐石料理につきものの魚です。
以前はあまり獲れず高級魚でしたが、今では温暖化の影響で東北・青森でも漁獲できる程多く獲れるようになっています。
漢字では「鰆」と書きますが、これは産卵時期の春によく漁獲されることからこの漢字があてられたとされています。

●イカナゴ
背が青く、腹は銀色の体長15~20cmほどの小魚。
稚魚は「コウナゴ」と呼ばれ、釘煮に用いられます。
鮮度が落ちやすいので生での流通は少なく、産地の浜で塩茹でされたものが「釜上げ」として多く出回ります。
カルシウムが100g中に500mgと豊富に含まれているほか、骨の形成に関与するリンやカルシウムの吸収を高めるビタミンDも多いので骨の強化や血圧調節、神経鎮静に有効です。


【伊豆諸島】

●ハマトビウオ
伊豆諸島では、「春トビ」と呼ばれ、春の味わいとして親しまれています。
一口にトビウオと行っても世界には50種ほどが知られ、日本周辺にはそのうちの30種が記録されています。
中でもハマトビウオは世界最大のトビウオで、体長が50cmに達するものもあります。
ちなみにハマトビウオの「ハマ」は「幅」を示し、大きいことを表しています。
旨味とコクが強い上品な味わいが特徴のアゴだし。
実は、「アゴ=トビウオ」というのをご存知でしたか?
良質な出汁をとったり、ちくわなどの練り製品に加工されます。
また、卵は「とびこ」と呼ばれ、プチプチとした食感が人気です。

以前は春告げ魚の代表格であった「ニシン」
近年では海洋環境の変化から漁獲量が激減し、見かけることも少なくなってしまいました…。
魚は、記憶力を高めるDHAコレステロール値や中性脂肪を減らす働きのあるIPA(EPA)を含んでいます。
DHAは脳の働きを高め、集中力をアップさせるので、成長期のお子様に摂って頂きたい栄養素の1つです。

地域によって異なる春告げ魚。
皆さんも美味しい春告げ魚を食べて、春を感じてみてはいかがでしょうか?

Text by ろい/食育インストラクター