スーパーで購入する時、サラダにのせてそのまま食べたい時はハム、ベーコンはそのまま食べられないから加熱用だと思って購入していませんか。
【食べてもいいんです!】
実はハムもベーコンも、通常、塩漬けにして燻製する工程があり、市販の加熱加工食品に分類され販売されているものならば再加熱しなくても食べられるのです。
ただし、ベーコンは脂が多いのが特徴で、加熱した方が脂の甘みや柔らかさ、香ばしさが出るため焼いたり、スープ、煮込み料理に使うのがおすすめです。
では何が違うかというと、まずは肉の部位による違いが大きいので、その特徴をみていきましょう。
【お馴染みのハムとは】
日本では豚肉を成形し、塩漬けしてから燻製したり蒸し煮にするなどしたものを主にハムと呼びます。
その中でも骨をとり、豚のもも肉を使ったものが『ボンレスハム』、肩から腰あたりの背中側の肉であるロースを使ったのが『ロースハム』、肩肉を使ったものを『ショルダーハム』と呼びます。
なお、『プレスハム』というのは、豚肉以外の肉も使用し、でんぷん質のものを加えて調味加工したものです。
では『生ハム』はというと、基本的には骨付きの豚もも肉を成形して塩漬けし、燻製させたり乾燥させたもののことを言います。
通常の3倍程度の塩を使い殺菌・保存しているため、そのままでも食べられ、赤身肉や脂のうま味がしっかり感じられるのが特徴です。
【ではベーコンとの違いは?】
ベーコンは豚のばら肉を塩漬けにして燻製したもののことを言います。
ただ、時々、豚のロースを使ったロースベーコンや、肩肉を使ったショルダーベーコンも見かけます。
ばら肉を使ったものに比べれば脂身が少ないので、カロリーや脂質が気になる方はこちらを選ぶとよいでしょう。
これらをみるとハムとベーコンの大きな違いは肉の部位だと言えますが、この他に、一般的なハムは塩漬け後に型に詰めて成型するのに対してベーコンは行わず、さらに茹でたり蒸したりもせず燻製だけで仕上げるのも特徴です。
なお、これまで豚肉の加工品をみてきましたが、牛肉を使ったものはないのと疑問に思われた方もいらっしゃるでしょう。
牛肉を使った場合は『パストラミ』と呼ばれ、こだわりのサンドウィッチを置く店で売られていることもあります。
こうやって詳しくみると、生食が出来るか出来ないか、ではない違いが見えてきます。
どれを選べばよいか迷ってしまうので、ひとまずは、あっさり食べたいときはハムやショルダーベーコンを、脂のうま味をいかしたいときはベーコンや生ハムをという使い分けをすると、イメージ通りの味わいになりますよ。
Text by ゆず/食育インストラクター